2018年7月17日(火)

東京五輪「持続可能な調達」発表 企業も街も対応へ号砲
日経エコロジー編集部 藤田香

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2016/2/29 12:00
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 東京五輪に向けて東京2020組織委員会は今年1月に「持続可能性に配慮した調達コード」の基本原則を発表した。五輪で調達する物品やサービスに対し、サプライチェーン全体にわたる環境や人権・労働の配慮、トレーサビリティーの確保、資源の有効活用を盛り込んだ。

新国立競技場の大規模屋根には森林認証を取得した国産のカラマツやスギを使用する(新国立競技場整備事業大成建設・梓設計・隈研吾建築都市設計事務所共同企業体作成/JSC提供のイメージ図)

 違法伐採木材や紛争鉱物を排除することはもちろん、五輪施設で提供する魚や肉、洗剤用のパーム油が持続可能に調達されたか、建設現場や清掃、警備のサービスで労働者の人権を守っているかなどが問われることになる。五輪事業を請け負う企業だけでなく、そのサプライヤーまで問われる点がポイントだ。

 「持続可能な五輪」は、ロンドン五輪以降、潮流になっている。ロンドンでは使用する木材製品を森林認証材かリサイクル材、魚をMSC(海洋管理協議会)認証の魚に限定した。この流れを引き継ぎ、東京はどんなレガシーを残せるか世界が注目している。

 企業も対応に乗り出した。その一例が三菱地所だ。建設会社や商社、電機・機械メーカー、ホテルなど1次サプライヤーだけでも1万社以上ある。既にサプライヤーに対し、調達部材が環境や人権に配慮しているか確認するよう号令をかけた。今年4月には、環境や人権への配慮、企業倫理、法令順守のほか、違法材料の排除や認証原材料の使用をサプライヤーに求める「CSR調達ガイドライン」を策定する予定だ。

 リスクが高い木材製品は別途、紙・印刷物の調達ガイドラインを定める。建築用の木材は、山梨県からFSC(森林管理協議会)認証材を16~18年の3年分調達する対策を打った。魚は系列のロイヤルパークホテルが五輪のケータリング事業を受注する可能性があるため、MSC認証の魚の準備を指示した。

 トヨタ自動車はサプライヤー向けの「グリーン調達ガイドライン」を今年1月に5年ぶりに改訂、330社を集めた説明会を開いた。東京五輪を意識したものではないが、五輪関連行事で自動車を使用する可能性もありリスク管理になる。

 サプライチェーン全体で温暖化ガスの削減や生物多様性への配慮、水資源対策を打ち出した。同社の一部の車にはシート表皮にバイオペット樹脂を使用する。その原料のバガスやタイヤの天然ゴムは熱帯雨林に負荷をかけ生物多様性上のリスクがある。新ガイドラインはサプライチェーンの環境・人権対策にもなる。

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