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まず1勝へ 一体感重視 最高峰へトライ・日本ラグビー(上)

2016/2/16付
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「アルゼンチンから来ました」「自分はオーストラリア」「日本人です」――。30人超の男たちが4組に分かれて、はいスタート。出身国のアルファベット順に並ぶ速さを競い合う。7日夜、愛知県豊田市のホテルの一室では、風変わりなゲームが行われていた。

主将の堀江は欧州挑戦の道を蹴ってサンウルブズに参加

南半球最高峰リーグ、スーパーラグビー(SR)に新加入する日本チーム「サンウルブズ」の選手は日本人26人と海外9カ国の12人。日本語を話せない者も多く、互いを知るところからチームづくりを始めた。

27日の初戦までの準備期間は約3週間。他チームは2~3カ月を掛ける。SRの新チームが年間1勝に終わるケースもあることを考えると厳しい状況だ。陣容も十分でない。日本代表は10人しかおらず、SR経験者も堀江翔太主将(パナソニック)ら6人だけ。コーチ陣の実績も足りない。

逆風の中、ニュージーランド(NZ)人のマーク・ハメット・ヘッドコーチは現実路線でチームを組み立てる。

唯一の強化試合となった13日のトップリーグ選抜戦。FW第1列の3人や、CTBのコンビには日本代表で長く一緒に練習した選手を起用。ハーフ団には日和佐篤、トゥシ・ピシというサントリー所属の2人を使うなど、連係の練れた顔ぶれを先発させた。おかげでチーム発足1週間にしては攻めの形は出せた。「選手のレベルが高い。『これをやろう』となればすぐ対応できる」と大野均(東芝)は言う。

ただ、舞台がSRとなると話は変わる。他の17チームはNZ、豪州、南アフリカ、アルゼンチンに拠点を置く。昨年のワールドカップ(W杯)の4強を占めた強豪だ。各国への長期遠征も選手の体には負担が大きい。

「サンウルブズはまず1勝を目指してやるチームだと思う」と堀江主将は言う。それでも「最初から白旗を揚げるようなことは絶対にしない」。

当初はさらに危機的状況になる恐れもあった。チームを設立した日本ラグビー協会の不手際などで選手集めが難航。昨夏にはSRの主催者が参戦取り消しも示唆した。

W杯後には代表組に海外のオファーが殺到。堀江にもフランスのビッグクラブから声が掛かった。報酬はサンウルブズの数倍。欧州挑戦は自身の目標でもあったが「チームがなくなる心配があったし、代表経験のある人がいないとファンも残念に思う」。代表の仲間を誘い、サンウルブズに参加した。SRの史上最年長ルーキーとなるであろう37歳の大野も同様の男気からの参戦だ。

その分、チームを自分たちで改善しようという意識は海外勢に勝るかも。「攻撃をもうちょっとシンプルにしたい。守備ラインももっと前に出たい」と堀江。コーチ陣に働きかけて修正を図る。昨年のW杯は出身国を問わない選手の一体感が、日本の躍進の一因だった。「代表のいい文化を引き継ぐ。日本語を話せない選手に率先して声を掛け、私生活からチームをつくる」。26歳の立川理道(クボタ)は話す。

最高峰リーグの水に慣れ、呼吸が合ってきた頃には勝利の報が届くか。そうなれば、2019年W杯日本大会を目指す選手らが一回り大きくなったことの証明にもなる。

日本代表強化の切り札として始まったSRへの参戦。船出へ向けた現状と課題を紹介する。

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