会計士は信頼回復を急げ

2016/2/5 3:30
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日本公認会計士協会が全国の会計士に対して、決算書を厳格に監査するよう通達した。

虚偽記載があった東芝を監査していた新日本監査法人が、「不正を見抜く注意を怠った」として金融庁から行政処分されたことなどを受けた対応だ。一部の監査法人の失態として話を終わらせず、会計士すべての問題として取り組む姿勢をまずは評価したい。

昨年発覚した東芝の虚偽記載により、「市場の番人」であるはずの会計士への信頼は損なわれた。会社側とのなれ合いや、形式的なチェックが横行しているのではないかとの疑念が高まっている。会計士は厳しい姿勢で監査に臨み、信頼回復を急いでほしい。

今回の通達では、すべての会社に虚偽記載のリスクが常にあることを想定し、会社側の説明をうのみにしないことなどを求めた。

会計士協会の森公高会長は東芝のケースを念頭に「会社の社会的な名声にとらわれず、常にゼロベースで監査すべきだ」とも発言した。通達の内容などは当然のことであり、投資家らが会計士の役割として最も望むことだ。

協会は上場会社を担当する監査法人への検査や指導も強化する。会計基準が複雑になり、不正が生じる余地が増えた。不正の兆しを見逃さないよう、会計士の技量を高める研修も欠かせない。

会計監査の実効性と信頼性を高めるには、会社側がリスク管理を強化することも大切だ。社外取締役で構成する東芝の監査委員会は、経営を監督する立場から、会計士との情報交換を密にし連携を深める方針だ。監査法人との契約を更新するかどうかも、ほぼ5年ごとに見直していくという。

会社の監査役や監査委員会などは、正しい決算書をつくるよう経営陣を監督する役目を担う。こうした目付け役が緊張感を持ちつつ会計士と連携する意味は大きい。

会計士だけに任せても会計不祥事は防げない。企業統治を担う関係者が正しい財務情報の開示に向け力を合わせるべきだ。

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