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春秋

これまでもあらゆる商品が扱われてきたのだから、驚くことではないかもしれない。インターネット通販大手、アマゾンのサイトを通じてお坊さんが「出品」され、話題になっている。その名も「お坊さん便」。僧侶を手配して自宅やお墓に派遣してくれるサービスだ。

▼通常の法事・法要であれば、お布施や車代を含め、全国どこでも一律3万5千円。戒名の授与が加わると、別コースの料金になる。注文のための画面にある「在庫」や「返品について」などの言葉が、なんともシュールに響く。お坊さん便を出品している葬儀関連会社は、すでに400人に上る僧侶と提携しているという。

▼業界のしきたりや前例を簡単に乗り越えるネットの力に驚けばいいのか。それとも時代の移り変わりに感慨を抱くべきだろうか。仏教界からは「宗教をビジネスにしている」といった批判の声が上がる。うなずける気がする一方で、僧侶を依頼する方法や費用がよく分からず、不安を感じる人が多いのもまた事実であろう。

▼お坊さんを手軽にネットで注文するなんて世も末、という話にはなるまい。都市部に限らずお寺との付き合いは薄れつつある。結局はお坊さん個々人の見識や力量がいままで以上に問われるのではないだろうか。法事の席で「なるほど」と得心のいく法話や所作に触れられれば、出会ったきっかけに善しあしはないと思う。

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