都市型震災への備えを着実に

2016/1/17 3:30
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東日本大震災からまもなく5年になるが、地震への備えがなかなか進まない。とくに21年前のきょう起きた阪神大震災のような都市直下地震への対策が後手に回っている。2つの大震災の教訓を風化させず、着実に備えを強めたい。

首都圏の4都県と5つの政令指定市は15日、マグニチュード(M)7級地震を想定した合同訓練を実施した。これらの自治体は災害時の応援協定を結んでいる。訓練では地震から18時間後の状況を想定し、負傷者の救護や物資の支援などで連携を確かめた。

政府の想定によれば、M7級の首都直下地震が起きると死者は最大2万3千人、建物の倒壊などの被害は同61万棟にも及ぶ。とりわけ怖いのが火災だ。木造住宅の密集地で出火すると延焼し、最悪41万棟が焼失する恐れがある。

地震による火災は石油・ガス器具が火元になると考えがちだが、近年の地震では電気製品からの出火が過半を占めている。阪神大震災では倒れた家具で電気コードが圧迫され、電気が復旧した際に漏電して起きる火災が相次いだ。熱帯魚水槽のヒーターなど思わぬ場所から出火することもある。

火災を防ぐため、地震を感知して自動的に電気を遮る「感震ブレーカー」を広めたい。配電盤に付けるなど様々なタイプが市販され、手ごろな価格の機器もある。費用の一部を助成する自治体もあり、こうした制度を活用したい。

帰宅困難者向けの避難所の確保もこれからだ。首都直下地震が平日の昼に起きると、最大800万人が家に帰れなくなる。勤務先や学校で被災した人は待機するのが鉄則だが、買い物客や旅行者らはどこに避難したらよいのか。

東京都などは大規模ビルをもつ企業と協定を結び、一時滞在所とする計画だ。だが避難者の安全確保に誰が責任を持つかや、水や食料など備蓄物資をどう提供するかがあいまいで、協力企業はまだ少ない。国や自治体がルールを明確に定めて企業の協力を求め、共助の仕組みを整えたい。

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