2019年4月25日(木)

女性のキャリアを考える ECサイト経営、選択肢に (村山らむね)

2015/12/13 12:00
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今年は女性活躍推進が声高に言われた年だった。とはいえ、子育てしながら仕事をすることが当たり前になるに従って、「子育てしている」ことでの甘えも許されなくなっている。女性の「活躍」とは何なのか、いま一度考えてみたい。

働く女性をテーマにしたセミナーの様子

働く女性をテーマにしたセミナーの様子

ネットショップで働く女性に焦点を当てた「私らしさをカタチに!人気ストアを生んだ全国のママオーナーに聞く!」という中小企業基盤整備機構が主催のセミナーで司会を担当した。

登場したのは東京の下着ショップ「qilin Underwear」の表真弓さん、名古屋市の手芸品関連「MY mama」の蟹江幸子さん、大阪市のヘアアクセサリー「リトルムーン」の文美月さん、福岡市の防音関連「防音専門ピアリビング」の室水房子さん。4人のパワフルな発言で会場は大いに沸いた。

4人には共通点が5つある。まず、出産が起業のきっかけになっている。妊娠中や出産直後に仕事を探したがどこも雇ってくれなかったり「小1の壁」にぶつかった。起業すると子供の存在がエネルギーになっている。

ヘアアクセサリーを扱う「リトルムーン」

ヘアアクセサリーを扱う「リトルムーン」

2つ目はライフスタイルに合わせたショップを運営していること。「好きだから」が起点で、思い入れが強すぎては売れないことも学んでいる。 3つ目は非常にニッチな分野の店で、一点突破から徐々に商品カテゴリーを広げている。4つ目は、コストをあまりかけずにメディアに取り上げてもらっている。

5つ目は障害やトラブルを楽しんでいることだ。お客さんや競合と壮絶な体験をしてきたが、へこまずに楽しむ余裕を持ちながら仕事している。

人気ネットショップの店長に女性、とりわけ子育てと両立している女性が少なくないことは注目に値する。ネットは顔の見えない相手だけに、相手の気持ちに敏感で細やかなコミュニケーション力にたけた女性が向いている。自宅でかなりの仕事ができるという点も大きいだろう。

 むらやま・らむね 慶大法卒。東芝、ネットマーケティングベンチャーを経てマーケティング支援のスタイルビズ(さいたま市)を設立、代表に。

むらやま・らむね 慶大法卒。東芝、ネットマーケティングベンチャーを経てマーケティング支援のスタイルビズ(さいたま市)を設立、代表に。

女性の登用が叫ばれて久しいが、非正規雇用ら正社員でない人の出産による地位の低下は見逃せない。子育ては、現実的に自分でコントロールできる時間を圧倒的に減らす。大企業で働く女性は子育てとの両立で守られつつあるが、中小企業や相手があり時間に依存する仕事に携わる女性は、どうしても不利になる。

その点、ネットショップは副業でも簡単に始められる。企業に所属しながらイーベイやヤフオクなどで、お小遣い稼ぎ以上の収入を得ている会社勤めの人も少なくない。

ネットショップの店長は定年もなく細く長く続けられる。出産や夫の転勤で女性が自分のキャリアを諦めなければならないことが多い日本で、ネットショップの店長という選択肢は悪くない。

競争過多な今、成功するのは相当に困難だろう。だが、5万、10万円と少しずつ売り上げを増やしていく粘り強さが女性にはある。大手モールも女性店長の集まりを支援している。いわゆる「女子会」では、家庭や育児との両立の愚痴を言い合うなど、いい発散場所となっているそうだ。

ただ、誤解してほしくないのはセミナーの4人はたまたま逆境をプラスにできただけ。本来は女性が心身を壊すほどにがんばらなくても活躍できるようになるべきだ。来年は様々な躍推進策を利用して、自分なりの輝き方を見つけられる女性が増えてほしい。ネットショップが選択肢となる可能性を期待したい。

(通販コンサルタント)

〔日経MJ2015年12月11日付〕

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