2019年5月21日(火)

岩盤規制の打破へ二の矢、三の矢を放て

2015/12/6 3:30
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日本経済の潜在成長率を引き上げる規制改革は、成長戦略でもっとも重要な課題のひとつだ。政府は改革を加速すべきだ。

国家戦略特区で、既得権益を守るため手つかずだった「岩盤規制」のいくつかに風穴をあけた点は評価したい。

千葉県成田市で、国際医療福祉大学が2017年4月に医学部を新設する計画が認められた。東日本大震災の復興目的で特例的に認可された東北薬科大学を除くと、38年ぶりの医学部新設だ。

日本医師会は「新設を認めると将来的に医師数が過剰になる」と反対してきた。これを振り切って新設する医学部は、留学生や外国人教授をたくさん受け入れ、世界最高水準の「国際医療拠点」をめざすという。

愛知県では、公立学校の管理運営を民間に委ねる「公設民営」が実現する。

16年4月に名古屋市千種区に開校する愛知県立愛知総合工科高校が対象だ。17年4月からの専攻科で民間人が新たなカリキュラムをくみ、産業人材の育成にあたる。

岩盤規制改革をこれで終わりにしてはならない。

政府の会議では、自家用車を使って有償で人を運ぶ「ライドシェア」の解禁が議論されている。

タクシー業界や国土交通省に反対論が強い。しかし鉄道やバスのない地域でうまく使えば、高齢者や外国人観光客などの需要に応えられる公算が大きい。政府は解禁の結論を出すべきだ。

クールジャパンの分野では、日本の専門学校でアニメや和食、ファッションなどを学んだ外国人留学生が、卒業後も日本で働けるように在留資格を見直してほしい。

農業では、農業生産法人への株式会社の出資上限を50%未満にとどめている規制が最大の懸案だ。環太平洋経済連携協定(TPP)の発効を見据え、日本の農業を強くするには企業の力をもっと生かすべきだ。出資上限を50%超に広げる必要がある。

TPPが大筋合意に達したほか、法人実効税率を16年度に20%台に引き下げる道筋もようやく整いつつある。経済活性化の起爆剤である規制改革で、政府は二の矢、三の矢を放たなければならない。

安倍晋三首相は昨年1月の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、2年で岩盤規制を集中改革すると宣言した。時間はそれほど残っていない。

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