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春秋

作家・星新一はショートショートの神様と呼ばれる。400字詰め原稿用紙10枚ほどの短編を、生涯に1001書いた。どの作品にも、思いがけない結末が待っている。読み終わって思わずニヤリとする。うーんとうなる。多くの話でロボットが重要な役を演じている。

▼代表作「ボッコちゃん」では近未来のバーで働く女性型機に男性客が夢中になる。「きまぐれロボット」に登場するロボットは炊事洗濯に掃除、なんでもできる。話し相手にもなる。別の作では機械の正確さがいやになった持ち主の望みに応え人生修行に出る。その結果、「人間的」になり過ぎ、やっかいな問題が起こる。

▼未来はそこまで来ているのかもしれない。野村総研の分析によると、10~20年以内に日本で働く人の仕事の49%は人工知能(AI)やロボットで代替できるようになるらしい。可能性が高いのは事務職、警備員などで約2500万人にのぼる。意思疎通が大事な医師や教師、独創性が必要な映画監督や音楽家は低いという。

▼仕事の多くは機械に任せて労働力を補う。人はより独創的な役目を担う。バラ色の世界にも思えるが、そう単純ではなさそうだ。機器を扱う人の能力は退化するかもしれない。機械は故障する。使いこなせず反乱に遭う恐れもある。備えを怠れば、ちょっと皮肉で悪夢のような、星新一の世界に迷い込まないとも限らない。

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