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ウェザーニューズがスポーツ支援 エディージャパンも

気象予報会社のウェザーニューズがスポーツチームの支援に力を入れている。気象データの分析力を生かして地域に特化した気象予報を提供し、練習メニューの策定や選手の健康管理に生かしてもらう。今年はラグビーのワールドカップ(W杯)で南アフリカに歴史的な勝利を果たした日本代表チームを支援。天候に左右される様々な屋外スポーツのサポートを拡充する。

スポーツ気象チームが風向きまで予測

今秋開催されたラグビーW杯イングランド大会で南アフリカに劇的な勝利を果たした日本代表チーム。ウェザーニューズは宮崎合宿など試合前の段階から試合当日まで同チームに天候や風向きなどの気象予報を提供。その情報を参考に、日本代表は練習メニューを作ったという。

例えば試合当日が雨と予報する。その場合、選手は靴底のスタッド(びょう)が長いスパイクを使ったり、ボールをせっけん水でぬらして手が滑りやすい状況で重点的に練習したりする。一般的に風上にいる時はボールを蹴った時に遠くまで飛びやすいので、風向きに応じてプレースタイルを変える時もある。

一口にイングランドといっても地域はもちろん、試合会場となる施設の構造などによっても天候は異なる。「南アフリカ戦の会場は海が近く周辺では強い風が吹くが、スタジアム内への影響は少ない」「スコットランド戦が開催される地域は南西からの風の影響を受けやすい」……。ウェザーニューズがデータを分析したところ、こうした特徴が浮かび上がったという。

そこで、千葉市にあるウェザーニューズの予報センターの分析をもとに、スポーツ気象チームが会場地域に特化した気象予報を詳細に日本代表チームに伝える体制を整えた。現地の最新情報を取り入れるため、日本代表チームの担当者は携帯型の観測機「ソラヨミマスター」を持ち、千葉のセンターへ気温や風速など10種のデータを頻繁に報告してもらった。

南アフリカ戦の時、日本代表は8日前に現地入りしたが、到着時は悪天候だった。試合当日も雨が降るのではとの懸念もあったが、ウェザーニューズは「試合当日の天気は荒れない」との予報を出した。これにより、日本代表は通常の天候を想定した練習に専念したという。11月に香港で開催された7人制男性ラグビーのリオデジャネイロ五輪アジア予選でも、ウェザーニューズの気象情報は活用された。

屋外競技において、天候は練習内容に関わる重要な要素だ。スポーツ気象チームの一員で、母校の成城大ラグビーチームでゼネラルマネジャーを務める浅田佳津雄氏は「ラグビーの場合、天候が多少荒れても試合が中止とならない。ほかの屋外スポーツと比べても特に試合展開への影響が大きい」と話す。

ウェザーニューズは甲子園で夏の高校野球大会の運営をサポートする事業を手がけている。サッカーのJリーグの試合開催の可否を判断するための情報提供事業も展開している。少しずつスポーツ界で実績を重ね、今回ラグビー代表チームの支援を試みた。「いずれは小規模のアマチュアチームにも専用の予報を提供できるようにする」(浅田氏)

ウェザーニューズは船舶業界など世界約50カ国・地域の2500社に天気予報を提供。2015年5月期の売上高は前の期比5.7%増の約140億円。長年培ってきた気象データの独自の情報網と分析ノウハウを強みに、スポーツ業界で新たな事業モデルを構築できるか。試行錯誤が続く。(花田亮輔)

[日経MJ2015年12月2日付]

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