2019年2月24日(日)

ネットメディアのステマ騒動 広告主は倫理再考を (徳力基彦)

(2/2ページ)
2015/11/29 12:00
保存
共有
印刷
その他

一連の騒動から透けて見えるのは、「やらせ記事」が業界慣習となってしまった結果、業界関係者ですら、何がどう悪いのか分からなくなっている可能性があるという点だ。

とくりき・もとひこ 名大法卒。NTTを経て06年アジャイルメディア・ネットワーク設立に参画、09年社長。14年3月から取締役最高マーケティング責任者(CMO)。

とくりき・もとひこ 名大法卒。NTTを経て06年アジャイルメディア・ネットワーク設立に参画、09年社長。14年3月から取締役最高マーケティング責任者(CMO)。

今後、特に重要な役割を担うのが発注者である広告主の意識だろう。メディアやPR会社、広告会社がいくら健全化しようとしても、お金の出所は広告主である。広告主が「広告と分からないように記事を書いてほしい」とメディアやPR会社に依頼し続ければ、業界慣習として残るだけ。

アジアの新興国においては、メディアにお金を払わなければ当然記事を書いてもらえないという国もある。ただ、日本のような先進国で「やらせ記事」に手を出せば、やらせが発覚した時に企業ブランドが著しく傷つく恐れがある。オリンピックのエンブレム騒動が象徴するように、一度消費者が企業に疑いを持ち集団で検証し始めると、やらせやステマ行為もあっという間に暴かれてメディアの話題になる時代だ。

一連のステマ騒動では、広告主の担当者が知らないところで、「やらせ記事」が発注されていたというケースが散見され、社内外で物議を醸しているようだ。

日本の広告主の方々には、ステマ騒動を対岸の火事とせずに、自らのブランド価値を毀損しかねない深刻な問題であると認識することをお勧めしたい。

(アジャイルメディア・ネットワーク取締役)

〔日経MJ2015年11月27日付〕

  • 前へ
  • 1
  • 2
保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報