2019年6月18日(火)

環太平洋地域の経済統合を着実に進めよ

2015/11/20 3:30
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アジア太平洋地域は世界経済の約6割を占める巨大な経済圏であり、世界の貿易センターだ。その経済統合を日本を含む各国・地域は着実に進めるべきだ。

アジア太平洋経済協力会議(APEC)に参加する21カ国・地域による経済連携は、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)といわれる。その中核となるのが日米など12カ国が合意した環太平洋経済連携協定(TPP)だ。

非常に高い関税撤廃率に加え、知的財産権や環境など包括的な内容を盛り込んだTPPは、世界標準の新たな貿易・投資ルールだ。

TPP参加12カ国はマニラで首脳会合を開き、早期発効をめざす方針を確認した。

米議会では、合意内容に不満を持つ一部議員から再交渉を求める声が出ている。しかし、再交渉の余地がない点は、米国を含む12カ国の政府で一致している。

オバマ米大統領をはじめとする各国首脳は、協定に否定的な議員の説得を含め国内の承認手続きに全力をあげてほしい。

TPPをめぐっては、韓国やインドネシア、フィリピンが加盟への意欲を参加国に伝えた。タイや台湾も関心を示しているという。

TPP参加国・地域を広げていくことは、将来のFTAAP実現に近づくための確実なやり方だ。TPPの包括的なルールを受け入れることを条件に、日米などは協力を惜しむべきではない。

一方で、日中韓と東南アジア諸国連合(ASEAN)、インドを含む16カ国による東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉は、2015年末までを目標としてきた大筋合意が困難になった。

中国やインドなどが農業分野の関税率引き下げなどに難色を示しているとされる。合意時期を急ぐあまり、貿易自由化の水準が低い内容になってはいけない。日本は粘り強く交渉にあたる時だ。

ASEANは近くASEAN経済共同体(AEC)設立を宣言する。域内の関税撤廃・削減を進め、ヒト、モノ、カネの移動も円滑にする「単一市場」ができる。

ASEAN域内で高度なサプライチェーン(供給網)を築いている日本企業の商機も拡大する。さらにAECは将来のFTAAPへの一助にもなるだろう。

APECの21カ国・地域は同時並行で進む複数の経済連携の成果をしっかりと積み重ね、FTAAPの基盤を固める必要がある。

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