2017年11月20日(月)

レゴレンタル、米でブレイク ブランド価値高める役目も (三浦茜)

コラム(ビジネス)
2015/11/22 12:00
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 日本では洋服のレンタルや音楽・動画の定額制サービスが人気を集めているが、米国では、おもちゃのレゴの定額制レンタルサービス「プレイ」が話題になっている。2月には世界展開を目的に1000万ドル(約12億円)を資金調達した。

一度レンタルしてそのまま購入する人も少なくない

一度レンタルしてそのまま購入する人も少なくない

 レゴは高価なため、それほど頻繁には買えない。一度組み立てたら二度は遊ばないという人もおり、組み立てたレゴを飾る場所を見つけるのも難しい。その点レンタルならば、楽しんだら返却するだけなので場所を取ることもない。気軽に様々なセットを楽しめる。

 利用料金は長く借りるほど安くなり、単月は約35ドルだが、3カ月なら月あたり約30ドル、6カ月なら同約25ドル。サイトでは、常時400種類ほどのレゴを取りそろえている。

 返却は同封されている袋に入れて、郵便ポストに投函(とうかん)するだけ。返却が確認されると、数日後に次のレゴが送られてくる。何セットまでという制限もなく、レンタル期間内であれば何度でも借りられる。返品時の送料もかからない。

 プレイが2月の資金調達時に公表した資料によると、利用者数は5万世帯。そのうち大人のみの世帯が40%、5~12歳の子供をもつ世帯が60%だった。意外と大人が利用していることがわかる。

 実際にサービスを試してみた。申し込みの際に自分の好きなレゴを指定すると、翌週には自宅に届いた。送られてきたのは12月に公開予定のスター・ウォーズの新作、フォースの覚醒に登場するファースト・オーダー・スノースピーダー。発売から1カ月足らずの新作で、買うと約40ドルする。組み立て方のマニュアルが付いており、ブロックもマニュアルもレゴの正規品だった。

みうら・あかね 上智大学卒。サンフランシスコ在住。米国でアーリーステージのスタートアップ投資を行うスクラム・ベンチャーズのマーケティングマネージャー。

みうら・あかね 上智大学卒。サンフランシスコ在住。米国でアーリーステージのスタートアップ投資を行うスクラム・ベンチャーズのマーケティングマネージャー。

 返却されたレゴは専用の高温洗浄機で殺菌洗浄されており、小さな子供でも安心して利用できる状態に保たれていた。

 メーカーであるレゴに怒られそうなサービスではあるが、プレイの調査によると、レゴの人気を高める効果があるという。サービス利用後、40%の子供が「レゴの認知が高まった」と答えており、26%が実際にレゴを購入している。

 返却時には壊さなければならないが、筆者も2時間かけて作った444ピースの大作を目の前に、壊すのが惜しくなり「このまま購入してしまおうか」という気持ちになった。意外とここで購入してしまう人も多いのではないか。プレイのサイトでは市場よりも安価で購入できるサービスも用意している。

レゴはブロックにとどまらずテレビアニメや映画へと人気が広がっている。昨年公開のザ・レゴ・ムービーは世界中で大ヒットした。高くてめったに買えない特別な存在のレゴがレンタルで身近な存在になることで、ブランドの価値や親しみが高まり、結果的にレゴの売り上げ増につながるだろう。

 プレイはレゴ以外のおもちゃへサービスを広げることを検討中だという。ただ世界に固定ファンがいることや、ブロックなので殺菌洗浄しやすいことなどを考えると、レゴが定額制レンタルという仕組みにとても適している商材だと思う。

 プレイは欧州やアジアへ展開国・地域を拡大する予定だ。所有しない暮らしが広がり始めた日本でも人気のサービスとなりそうだ。

(スクラムベンチャーズ・マーケティングマネジャー)

〔日経MJ2015年11月20日付〕

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