/

春秋

アイヌ語の「ピリカ」は「美しい」という意味がある。この言葉を使い、炊きあがりの美しさを伝えようと名づけられた北海道産米が「ゆめぴりか」だ。ほどよい粘りと甘みが特色というこのコメ、卸値は代表的な高級ブランド米の新潟産コシヒカリを上回る例もある。

▼新米商戦は青森県産も元気だ。今年から販売が始まった、粒がやや大きめで食べ応えがある「青天の霹靂(へきれき)」も高値がついている。北海道や青森勢の健闘は品種改良の努力の賜物(たまもの)だが、温暖化の影響も考えられるそうだ。昔は寒冷な気候でコメ作りに苦労した。それが徐々に、イネが育ちやすい環境になってきたのだという。

▼半面、もともと温暖な九州などでは、イネが暑さに耐えられず、米粒が白く濁るといった被害が一部でみられる。環境省の審議会が今春まとめた報告書によれば、九州地方では品質の高い1等米の比率が、今世紀半ばになると3割減るおそれがある。病害虫が増えることも予想されており、こちらは温暖化が稲作の大敵だ。

▼九州の農業試験場などでは対策を急がなければと危機感が強い。暑さに負けないイネ作りで強力な武器になるのが遺伝子情報だ。10年以上かかる品種開発を大幅に短縮できるという。稲作が伝来した弥生時代、九州の人たちは、早くから灌漑(かんがい)施設を設けるなど新しい技術の導入に積極的だった。進取の精神を発揮できるか。

初割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

関連キーワード

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン