2018年8月22日(水)

イクメンを後押ししよう

2015/10/24付
保存
共有
印刷
その他

 育児にもっとかかわりたい。そう考える男性は少なくない。育児に熱心な父親を指す「イクメン」という言葉も定着してきた。

 だが現実には、長時間労働などが大きな壁になっている。男性の育児は、女性の就労を進めるためにも、少子化対策としても大切だ。今こそ働き方を見直したい。

 日本の男性の「家庭進出」はまだ少ない。6歳未満の子どもがいる父親の家事・育児時間は1日平均約1時間で、欧米の3分の1ほどにとどまっている。

 政府は男性の育児休業取得率を2020年に13%にする目標を掲げる。14年度の実績は2.3%と、目標にはほど遠い。3歳未満の子どもを持つ20~40代の父親の3割が、育休をとりたくても休めなかったという調査もある。

 家事・育児の分担が女性にばかり偏っていては、働く女性の負担は重いだろう。やむを得ず仕事を辞めたり、職場で経験を積む機会が減ったりすれば、企業にとっても損失だ。保育サービスの拡充はもちろん大切だが、男性の分担が少しでも増えれば、女性が働くうえでの後押しになる。女性の社会進出と男性の家庭進出は、セットで考える必要がある。

 そのためには、職場の風土と働き方を変えていくことが重要だ。とりわけ硬直的な長時間労働にメスを入れることがカギを握る。

 仕事の進め方を見直し、省ける業務は省く。仕事の情報を周囲と共有しあい、休んださいに互いにカバーしやすくする。効率的に働く工夫は、多くあるはずだ。

 フレックスタイムなど多様な働き方を広めることや、意識改革も重要だ。厚生労働省も13年度から表彰制度「イクメン企業アワード」を設け、企業の取り組みを後押ししている。

 今後は働きながら介護を担う人々も確実に増える。働き方の見直しは、仕事と介護の両立のための処方箋ともなる。男性の育児の後押しを、多様な人材を生かせる、柔軟で働きやすい職場にするための一歩と捉えたい。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報