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やれることを全部やる 負けて、心底悔しいと思えるか
ジョーンズHCが課した「ラグビー一色の暮らし」

2015/10/22 3:30
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昔、プロ野球の2軍の寮長を悩ます"三難"があった。携帯電話、コンビニ、スナック菓子。寮で栄養を整えた食事を用意しているのに、スナック菓子を買ってきて深夜にポリポリやり、朝食が食べられない。

ラグビー漬けの暮らしの一番の狙いは本当の悔しさを知る、というところにあったのではないだろうか=共同

ラグビー漬けの暮らしの一番の狙いは本当の悔しさを知る、というところにあったのではないだろうか=共同

それも携帯で長電話しながらだから、睡眠不足で野球に身が入らない。このため寮長預かりとしていた球団もあった。もちろんこれらの利器やサービスに非はなく、利用する側の問題だ。

そんな話を思い出したのはラグビーのワールドカップで世界を驚かせた日本代表、エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチにも、携帯との戦いがあったと聞いたから。

日本代表の合宿に急きょ、有望な若手を呼んだことがあった。その選手は合流するなり、食堂で携帯をいじり始めた。これにはジョーンズさんもがくっときたらしい。

代表チームを率いる前のサントリー時代のこと。選手は寝ている間以外、ラグビーのことを考え、そこに仲間がいればラグビーの話をするのが当然、というジョーンズさんはクラブハウスでの携帯使用を禁止していた。

代表ではそこまでは言わなかったそうだ。桜のジャージーを着る選手にはそのくらいの意識があるはず、と踏んだのだが、見込み違いだった。

携帯電話はもはや生活に欠かせないし、ちょっとくらいなら、とも思うが、大きな意識改革の鍵は常に細かなところにある。生活の隅々からラグビーに染めることが、南アフリカ戦への道の始まりだった。

ラグビー一色の暮らしは当然、肉体面、技術面の進歩をもたらしたに違いない。しかし、一番の狙いは本当の悔しさを知る、というところにあったのではないだろうか。

王貞治・ソフトバンク球団会長は万年Bクラスだったころ、選手に言っていたそうだ。「君たちは負けて悔しくないのか。やれることを全部やって負けたら、悔しさが体ににじみ出てくるものなんだ」

負けて、心底悔しいと思えるところまでいけるかどうか。一口にラグビー漬け、野球漬けと言っても、これが一番難しい。(篠山正幸)

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