/

「アマゾンパントリー」に勝機 コンビニよりNB充実

(村山らむね)

9月15日から始まった「Amazonパントリー」。日用品や食料品などスーパーで買うような商品を1つから宅配してもらえるサービスだ。年会費を払ったアマゾンのプライム会員だけが利用できる。送料は1箱当たり290円。夫が私より先に利用していた。

指定の段ボールの容量または12キロまで詰められる。

夫は30年来、資生堂のスーパーマイルドシャンプーを愛用している。それを扱っているマツモトキヨシは帰宅時間には閉まっている。かといって24時間営業のスーパーに遠回りをして行くほどではないということで、試してみたそうだ。

52×28×36センチメートルの専用段ボールの容量または12キログラムまで詰められる。買い物途中、現在カゴに入っている商品で容量または重量の何%なのかがリアルタイムで表示される。せっかくならできるだけ詰めたいと、夫は60%くらい注文したそうだ。送料が変わらないなら、めいっぱい詰め込んで買いたいというのは自然な気持ちである。

コンビニでは扱っていないNB商品が手に入る

実際に購入したものをみてみると、キリンビール淡麗プラチナダブル、サンスターG・U・M歯磨き、味の素ゼネラルフーヅBlendy、資生堂スーパーマイルドシャンプーとコンディショナー。長年愛用のナショナルブランド(NB)商品で、最寄りのコンビニエンスストアで取り扱っていない商品だった。

至近距離にコンビニがある首都圏に住んでいても「欲しいものがなかなか買えない」という状況は存在している。毎日口にするものにはそれなりにこだわりがあるので、コンビニの品ぞろえに不満を感じる。コンビニのプライベートブランド(PB)を試しても何かが違う。近くの総合スーパーはずい分前に閉店した。コンビニの棚からこぼれ落ちたNBの愛用者として少し困っている。

このAmazonパントリーを後押しするのは、コンビニの隆盛とコンビニのPB率の高まりかもしれない。パントリーでは買いたいけど買えなかったNB商品が、いつでも簡単に買える。次回の注文時には、14種類と豊富なトイレットペーパーを買い置きしたい。

 むらやま・らむね 慶大法卒。東芝、ネットマーケティングベンチャーを経てマーケティング支援のスタイルビズ(さいたま市)を設立、代表に。

もっとも、コンビニのPBが悪いというつもりはない。私も愛用のPBがいくつもあり、その品質の高さと低価格には驚かされる。今夏はセブン―イレブン・ジャパンとグリコが共同開発したアイスを毎日のように食べた。コンビニにとってPBは利益貢献度の大きい商品なのだろう。だが一方で愛用のNBが棚からこぼれ落ちていると感じている人は、我が夫だけではないだろう。

では、既存のネットスーパーと比べるとどうか。大手スーパーが手掛けているネットスーパーでは、最寄りのスーパーを探して登録しなければならないなど手間がかかる。これに対し、Amazonパントリーは既にプライム会員であれば新たな登録の必要がなく、エントリーの敷居が低い。

先行のネットスーパーとしては現時点でアマゾンが生鮮食料品を扱っていないことが唯一の救いだろうが、Amazonパントリーの影響は避けられそうもない。

コンビニ各社はネット通販の利便性を高めるためにネット関連企業や宅配サービス会社との提携を進めている。受取場所の選択肢が増え、より複雑により進化したレベルでサービスを競っていくのだろう。その中で「欲しいものを買いたい」という消費者のシンプルな気持ちが、ともすれば見落とされてはないだろうか。そういう盲点をついて、Amazonパントリーは大ヒットサービスとなる予感がする。

(通販コンサルタント)

〔日経MJ2015年10月16日付〕

春割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で申し込むログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で申し込むログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で申し込むログイン