2019年7月19日(金)

春秋

2015/9/27付
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遺族には、ついきのうの悪夢のように感じられるのではないか。60人を超す死者と行方不明者を出すことになった御嶽山の噴火から、きょうで1年がたつ。山肌などに厚く積もった火山灰の中を調べる捜索隊員たちの姿は、火山災害の恐ろしさをあらためて感じさせた。

▼地震と火山の国だ。山に近づかなければ無関係では決してない。例えば富士山が火を噴けば東京にも火山灰が降る。雪に比べ非常に重いうえ、うっかり水で流そうとすれば固まる。火山性のガスは、特に呼吸器や心臓に障害を持つ人に影響が大きい。そうした知識を一人ひとりが身につければ、被害や混乱が少しでも減る。

▼日本火山学会が最近、一般から寄せられた質問と回答集の改訂版をまとめた。以前は学校の先生やメディア関係者による仕事がらみの問いあわせが目立ったが、近年は普通の人からの身近な疑問も多いという。今年だけでも口永良部島、箱根、阿蘇と火山のニュースが続く。自分には遠い話で済ませない人が増えたようだ。

▼人の力で噴火は止められない。いかに備え、素早く避難するかが大事になる。御嶽山では事前に地震を観測したが、警戒レベルを上げたのは噴火の後だった。同書によれば、海外では研究組織と防災情報を出す機関が一体で、警戒レベルの変更も日本より迅速だそうだ。命を救うためにあらかじめできることは、まだ多い。

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