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「エディー流」磨いた4年 運動量と素早さ長所で勝負

(挑戦 ラグビー日本・上) W杯での強敵撃破に自信

「日本ほど努力をしてきた国は他にない」。エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)は断言する。確かにこれほど入念に準備を進めたチームは他にないのではなかろうか。今回のワールドカップ(W杯)に挑むラグビー日本代表は、そう思わせるだけの時間を重ねてきた。

ジョーンズHCは目指す戦い方をジャパン・ウエーと呼ぶ。日本の長所である持久力や俊敏性を生かす戦術という意味だ。2012年の就任以降、HCは理想の「道」を舗装する作業を進めてきた。年間4カ月の長期合宿、1日4度の練習……。トレーニングの量や強度だけでなく段取りも実に緻密。教科書のページを順にめくり、課題を1つずつ克服するような印象だ。

1年目は戦術の根幹となる持久力の強化と、攻撃時のポジショニングの習得に専念した。2年目にはセットプレーの強化も開始。今年4月にはW杯の対戦国に合わせた戦術練習も始めている。

成果を採点したら、「優」がつくのはセットプレーだ。HCがフランスから招いたダルマゾ・コーチは、スクラム中にFW8人が呼吸のタイミングを合わせることまで要求。息の合ったプッシュを身につけた。ラインアウトもボール獲得率は急上昇した。長年の弱点だった、攻撃の起点の安定。これだけでも過去の大会とは様相が変わる。

ジョーンズHCは細部への徹底したこだわりも見せる。4月には選手を引き連れ、W杯開催地のイングランドを視察。2007年大会の出場選手と話し、会期中にリラックスできなかったことが敗因と判断したからだ。「W杯の環境になじむのが目的。(英国の)食べ物がまずいと分かれば、コンビニで食糧を買い込んでおくこともできる」と冗談交じりに話す。

宮崎市内の合宿地には、試合会場と同じ長さのゴールポストを設置。キッカーに本番をイメージさせた。8月のウルグアイ戦ではW杯初戦の南アフリカ戦を吹くレフェリーを招き、主審を任せた。「こういうことをしてくれるのは世界を戦ってきた人だなと思う」。SH田中史朗(パナソニック)も感服する。

1次リーグで3勝を目指す日本だが、相手は手ごわい。南アフリカは優勝候補の一角で、スコットランド、サモアも強敵。日本が優勢なのは米国くらいだ。過去7大会で通算1勝という戦績を考えれば道は険しい。

前回大会の日本も「運動量で勝つ」という目標を掲げたが「走り込む時間がなかったし、準備が足りなかった」とSH日和佐篤(サントリー)。今回は選手の内面が異なる。「練習量が自信になっている。4年前と準備が全然違う」とリーチ・マイケル主将(東芝)。

全員がこれまでの歩みに誇りを持っている。苦境に陥ったときも、立ち返るべき心のよりどころがある。目指す頂は確かに高い。しかし、番狂わせを起こす条件の一つを今回の日本はクリアしている。

高い期待とともにW杯イングランド大会に臨む日本代表。チームが始動した4年前からの軌跡や勝利への道筋を探る。

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