課題残る新競技場の整備計画

2015/8/29付
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7月に安倍晋三首相が抜本的な見直しを表明していた新国立競技場の新たな整備計画が関係閣僚会議で決まった。競技機能に限定し、開閉式の屋根を取りやめるなどして、整備費の上限を1550億円と旧計画より約1千億円減らしたのが最大の特徴だ。

巨大なアーチを使ったデザインや膨らんだ整備費をめぐる5月以降の混乱に終止符を打ち、2020年の東京五輪・パラリンピックのメーン会場としてふさわしい施設に育て上げる努力が、関係者に改めて求められる。

整備計画は、事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)に「工事費の縮減に関する技術提案を求め、最大限コスト圧縮を目指す」と注文している。資材高や求人難の中ではあるが、民間の知恵も借りて、手をゆるめず、さらなる減額を目指してほしい。

スケジュールによると、この9月から事業者の公募を始めて、来年末に着工し、20年4月末完成の段取りだ。しかし、国際オリンピック委員会(IOC)が同年1月末への前倒しを求めている。五輪運営の予行演習などに時間を要するためという。政府は工期の短縮を事業者に求めるようだが、人手不足などで綱渡りを迫られる局面も予想される。

一連の騒動を踏まえ、整備計画については内閣全体で責任を持って進めることに加え、JSCが工事などの進捗状況を関係閣僚会議に定期的に報告、公表することにもなった。工期の管理も含めて責任の主体を明確にし、国民への情報公開を心がけていくべきだ。

今回、計画策定にあたり、陸上競技の関係者からは、練習用グラウンドであるサブトラックを求める声が多かった。国際大会に不可欠の施設だという。計画では五輪開催の際、徒歩圏内に仮設し、常設は見送った。

五輪後、新競技場の運営は民間に移される。サブトラックの有無は、施設をどんな種目主体で活用するかというビジネスプランにも関わり、より議論が必要だろう。

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