ネット国勢調査を円滑に

2015/8/26付
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今年は5年ごとの国勢調査の年である。今回から調査方法が大きく変わり、全国でパソコンやスマートフォンからのネット回答ができるようになる。従来通り調査票に記入して郵送することも可能だ。やりやすい方を選び、円滑な調査の実施に協力したい。

日本で国勢調査が始まったのは1920年で、今回が20回目になる。人口動態などのビッグデータの正確性を高めることは、少子高齢化や地方創生の対策づくりにおいて重要だ。調査結果は選挙の1票の格差を計る基準にもなる。

近年、調査員との接触を嫌う風潮が加速し、調査を拒む人が急増している。5年前の前回調査では全世帯のおよそ1割から調査票を直接回収できなかった。

無回答世帯については調査員が隣家などから聞き込みをして調査票を埋める。だが、地域での人のつながりが希薄になり、特に単身世帯の把握は難しくなってきた。

そこで今回、一部地域で試験導入してきたネット回答の全面解禁に踏み切る。総務省統計局は、調査対象となる全国約5200万世帯のうち約1000万世帯がネット回答するとみている。

不正アクセスが起きないかを心配する向きもあろう。政府は、世帯ごとに配布するID番号を入力しないと回答できない仕組みを採用した。同一世帯からの複数回答などは自動的に検知する。IDを記載した書類は9月10~12日に青い封筒で郵便受けに届く。

注意すべきは、ネット回答は先行して実施されることだ。国勢調査は10月1日が基準日で、従来の調査票による回答は10月7日が締め切りだが、ネット調査の回答期間は9月20日で終わる。

長年の経験で「回答は10月に入ってから」と思ってIDの封筒を開けずにいると、ネット回答の期限に間に合わないおそれがある。

そもそもネット解禁自体があまり知られていない。政府はもっと広報に力を入れる必要がある。次回以降はネット回答の期間をもっと長くすることも検討すべきだ。

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