デジタル戦略が革新生む 「日経、FT買収」の衝撃
藤村 厚夫(スマートニュース執行役員)

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2015/8/13 12:00
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日本経済新聞社が英国のフィナンシャル・タイムズ(FT)グループを買収するとの報は、メディアとメディア経営の将来を専門としてきた筆者にとって大きな衝撃となった。

日経のFT買収を伝える各紙

日経のFT買収を伝える各紙

まず衝撃だったのは、世界における日経の存在感の希薄さだ。買収を発表した直後、海外の報道はFTとその親会社ピアソンを巡る話題に集中していた。海外のジャーナリストの多くが日経のことを詳しく知らなかったのだろう。その意味で、今回の買収は日経の実力と存在感との間のギャップを埋める役割を果たすかもしれない。

2番目の衝撃は取引額の大きさだ。約1600億円は、米アマゾンの創業者ジェフ・ベゾス氏が2013年に、米「ワシントン・ポスト」買収に投じた約300億円の5倍以上の額だ。

3番目の衝撃は、メディア(コンテンツ)企業がメディア(企業)を買収することだ。米「ニューヨーク・タイムズ」に、「だれがジャーナリズムのオーナーであるべきか?」というコラムが掲載された。

「伝統があり、世界でもっとも偉大な新聞が、同様の(歴史ある)経済紙に買収されたことを祝おう」(「The Financial Times Will Be in Good Hands(FTは良き協力者を得た)」)とした。短期的な収益を求める事業体にジャーナリズムが支配されることを危惧したうえで、FTがコンテンツに対する敬意と理解を有する日経に買収されることを歓迎している。

ただしメディアがメディアを、という同業他社による買収が導きうる帰結は、「1+1=2」という足し算だ。かけ算を可能にする"テコの作用"が見いだしにくい。これは、今回の買収の成否にもかかわってくる最も重要なポイントである。

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