2019年7月18日(木)

スカイマーク再生と空の競争

2015/8/6付
保存
共有
印刷
その他

民事再生中の新興航空会社のスカイマークが、ANAホールディングスなどの支援を受けて再建をめざすことが決まった。スカイマークをめぐっては、米デルタ航空も支援に名乗りを上げる異例の展開になったが、債権者の多数決でANA陣営が選ばれた。

スカイマークは今年1月に経営破綻し、その後は再建の形が確定しない中途半端な状態で運航を続けてきた。今回支援の枠組みが固まったことで、関係者は心機一転、空の安全を確保しながら迅速な再生をめざしてほしい。

きめ細かな料金設定や整備体制の充実などANAの持つ事業ノウハウを移植し、スカイマークの実力が上がれば、乗客にとっても一定のメリットが期待できる。

一方で懸念されるのは「航空第三極」と呼ばれたスカイマークがANA陣営に組み込まれて、日本の空がANAと日本航空の2陣営に寡占化されてしまうことだ。

競合会社の退出後にその路線の運賃が上がり、地元から不満が出たことは過去にもあった。

この点について、ANAは「スカイマークの経営の独立性は確保されている」と言明し、料金や路線計画に干渉しないとしている。ANAがこの約束を守るのは当然だが、加えて国土交通省や公正取引委員会も航空市場に厳しい視線を注ぎ、公正競争の確保に万全を期してほしい。

1990年代に始まった日本の航空自由化にとっても、今回は大きな節目だ。スカイマークはじめ複数の新規参入企業が登場したが、いずれも経営が行き詰まり、ANAの出資を受け入れることになった。米欧やアジアの航空市場で既存の大手企業に挑戦する新興勢力が大きく伸びたのとは対照的で、残念な事態である。

今回デルタ航空が示したように、日本の国内線市場に興味を持つ外資もある。空の競争を確保し、日本の成長戦略や観光振興に資するためにも、航空外資規制のあり方について政府はより柔軟に考えるときだ。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。