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40代女性つかむ「ダーマ」 通販変えた品質・価格・ケア

(村山らむね)

40代になると本当に欲しい服を百貨店で見つけるのが難しくなってくる。20~30代向けのブランドはデザインはいいが、素材が気に入らないしサイズがない。ハイブランドは日常使いには価格が非日常すぎる。

「ダーマ」のカタログは雑誌風のつくりで、目の肥えた40代女性に人気が高い

そこでサイズが豊富な通販を利用するのだが、低価格帯が中心のデイリーウェアが多く、仕事に着ていけない。キャリア女性向けの商品も開発されているが、無難なデザインの無個性なものばかりなのだ。

そうした意味で、2005年に創刊されたディノス・セシールの「ダーマ」は衝撃的だった。40代のキャリア女性の欲しいものが1冊にまとめられていると感動した。現に40代女性に圧倒的な人気がある。ダーマの成功は派生カタログがどんどん増えていることでわかる。創刊から10年間で30万人超の顧客がダーマで購入したという。人気の秘密をひもといてみた。

まず、高品質・高価格。スーツで10万前後、カットソーは2万円を超える。安かろう悪かろうの通販のイメージを劇的に変えた。

デザインも保守的ではあるが、海外の生地を多用した日本人女性に合ったデザインが貫かれている。サイズの豊富さも大きい。通常3サイズ展開のことが多いが、ダーマは4、5種類のサイズ展開で、比較的ゆとりがあるように作られている。通常11号の私でも9号が着られることは、女ゴコロとしてはうれしいものだ。

商品はここでしか買えないものばかり。通販なので当然なのだが、特に驚くのは冬のカタログに登場するムートンコート。百貨店が扱っていなかった4年ほど前から10万円以上のものを中心に様々な商品を販売している。2014~15年の冬には最高価格83万円のミンクコートを販売した。通販では破格の価格だが、点数が少ないということもあるものの、かなり早く完売する。

カタログの雑誌的なつくりもポイントだろう。海外ロケで同世代のモデルを起用した写真が多く、高級女性雑誌を読み慣れた目の肥えた40代にも受け入れられやすい。リビングに置いておける質を担保している。

配送は最近劇的に改善された。以前は注文から1週間後くらいに届くことが多かったが、最近は翌日届くことも多い。「週末の会議のため」とか「来週の出張に」という、急ぎの機会のための必然買いにも対応できる。

 むらやま・らむね 慶大法卒。東芝、ネットマーケティングベンチャーを経てマーケティング支援のスタイルビズ(さいたま市)を設立、代表に。

40代女性だけに限ったことではないが、やはりアパレルの通販では、ターゲット層に「わがまま」と「ありのまま」をさりげなく提供できるか否かが成功の秘訣だろう。

わがままは主役感とでも言い換えようか。つまり、裾上げや返品・交換などへの対応だ。交換や返品は電話でオペレーターに理由を告げなければできないが、電話オペレーターの対応が良く、返品理由によっては「当社の不手際」として無料となることさえある。多少コストが掛かっても客との信頼関係を築こうとする姿勢がうかがえる。

ありのままへの対応は、サイズの豊富さや着心地のいい素材をそろえていることだろう。

最後に価格。高価格でありながら人気を得ている秘訣は価値に説得力があるからだ。素材や生地ブランドについて、カタログで丁寧に文章で説明している。安物買いが損であることを経験上知っている40代に訴えかけている。

「それ、どこで買ったの?」と言われるとうれしくなるのが40代。だからまた、ついダーマを購入してしまうのだ。

(通販コンサルタント)

〔日経MJ2015年7月24日付〕

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