長期で成果出す公的年金に

2015/7/18付
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公的年金積立金の運用益が2014年度に過去最高となった。少子高齢化が進み年金財政が厳しくなるなか、明るい話題には違いない。とはいえ、年金運用は数十年の長期の視点で評価されるべきものだ。単年度の成績にこだわりすぎることなく、長期にわたり安定した運用の成果を出すための組織改革も進めてほしい。

厚生年金や国民年金の積立金を運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が公表した14年度の運用状況によると、約140兆円の運用資産からの収益は15兆2922億円と、13年度に比べ約50%増えた。運用利回りも12.27%だった。

安倍政権のもとでGPIFは国債中心の運用を見直し、株式に代表されるリスク資産への投資を増やす方向で改革を進めた。

実際、GPIFの運用資産に占める国内株の比率は13年度末の16%から14年度末には22%に、外国株の比率は15%から21%へと、いずれも大幅に増えた。そこへ世界的な株高が重なり、運用収益が増えたという構図だ。

しかし、運用環境は常に変化する。過去には株価の低迷で損失が発生した年もある。現在のように市場が不安定になることもある。株価の大幅な値上がりが続くという、楽観的な前提で年金運用を考えるべきではない。

年金積立金の原資は国民の保険料だ。年金受給者の長期的な利益に資するため、運用も長期的視点で安全かつ効率的に進めることが大原則となる。

GPIF改革は大学教授などが参加した有識者会議が、13年11月に発表した提言にもとづいている。この提言は運用の見直しだけでなく、組織改革の必要性を指摘した。権限が理事長に集まる独法から、多くの金融の専門家による合議で運用戦略などを決める特殊法人への改組だ。

短期的な運用成績の向上もさることながら、年金受給者が長期的に安心できる運用体制の構築を進めるべきである。

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