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プロゲーマーが競う「eスポーツ」 日本でも普及なるか

山田 剛良(日経NETWORK編集長)

ゲームをプレイするプロが集まって賞金を掛けて勝負し、その様子を会場に集まった人々やネット経由で観戦する「eスポーツ」。海外では賞金総額が10億円近い大会もあるほどの人気だ。日本でも普及するのだろうか。国内で開かれた大会を見に行ってみた。

ライバル選手たちのゲームプレイを見る参加者たち(東京レジャーランド)

7月4日。東京・台場の東京レジャーランド・パレットタウン店(東京・江東)に1200人超が集まった。カプコンの格闘ゲーム「ウルトラストリートファイター」をチーム戦で戦う「TOPANGAチャリティーカップ」大会の参加者だ。主催するTOPANGA(東京・中野)によると、参加するチーム数と参加者は過去最大という。

5人1組でエントリーしてチーム戦で戦う同大会は、国際的に著名な日本人プロゲーマーウメハラ(梅原大吾)氏も参加。10時間以上にわたる熱戦が繰り広げられた。「国内での格闘ゲームの人気を証明できた」と同社の豊田風佑社長は話す。

豊田社長もウメハラ氏と知り合ったのを機に、この世界に入った。自身プレーヤーだったが、eスポーツを国内でも普及させたいと考えて会社を設立。裏方に回ってゲームイベントの運営やプロゲーマーによる対戦の有料動画配信、プロゲーマーのマネジメントなどを手掛けている。動画配信チケットが収益の柱だ。

台場の大会は日本赤十字社の活動資金を集めるチャリティーで1人千円以上の参加費は全額寄付された。賞金はない。これに対し、海外では集めた参加費を元手に優勝者などに賞金を支払う大会が主流だ。格闘ゲームで世界最高峰といわれる米国の「Evolution Chanpionship series」は2015年の賞金総額が30万ドル(約3700万円)を超え、参加者は1万人を超える。

もっと規模の大きい大会もある。大勢で同時に戦う戦略ゲーム「Dota 2」の14年の世界大会で、賞金総額が800万ドル(約9億9千万円)を超えた。大会を転戦して、賞金やゲーム用の周辺機器メーカーなどスポンサー収入で生活するプロゲーマーはプレーヤーたちの憧れの的だ。

やまだ・たけよし 東工大工卒、同大院修士課程修了。92年日経BP社に入社、「日経エレクトロニクス」など技術系専門誌の記者、日本経済新聞記者を経て13年から現職。京都府出身、50歳。

スマートフォン(スマホ)を舞台に、賞金が出るeスポーツも出てきた。ワンダーリーグ(東京・港)が6月から配信を始めたスマホアプリ「ワンダーリーグ」。プロゲーマー体験を楽しめるアプリだ。組み込まれたゲームのスコアに応じて、賞金が出る。北村勝利社長は「ゲームを競技として競い、勝てばお金をもらえるという体験を広め、eスポーツ普及につなげたい」と話す。

第1弾として、テクノードの「タッチザナンバーズ」と提携。2カ月の長丁場で優勝賞金10万円を競う大会を開いている。ゲームのプロモーション手段として賞金付き大会を活用する狙い。月替わりで新たな提携企業を探していく考えだ。

ゲームを使ったマーケティングに詳しいGMOインターネット社長室付特命担当/ゲーム・UI/UXデザイナーの世永玲生氏は「ウメハラ氏以外にもゲーム専業でやっていけるトップクラスのプロが出てきている。彼らがロールモデルになれば、国内でもeスポーツが普及する目はある」と分析する。

ゲームはこれまで「プレーヤーが遊ぶ」ものだった。これからはゲームの腕で稼いだり、うまいプレーヤーの技を見て楽しんだりする時代が日本でもやって来るかもしれない。

[日経MJ2015年7月20日付]

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