人魚ノ肉 木下昌輝著 新撰組隊士が絡む怪異譚

2015/7/17付
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(文芸春秋・1550円 ※書籍の価格は税抜きで表記しています)

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人魚の肉を食べれば妖(あやかし)となり、その血を飲めば不老不死となる、という伝説に材を得た涼味たっぷりの怪異譚(たん)である。

これが竜馬暗殺異聞からはじまり、以後、新撰組隊士列伝に絡めてあるという野心作だ。妖の目を持った平山五郎を通して芹沢鴨暗殺を描く「妖ノ眼」、沖田総司の血への飢えを、新趣向の山南敬助切腹の中に捉えた「肉ノ人」、生ける死者より恐ろしい大石鍬次郎の残忍性を描く「不死ノ屍」等、作品は一ひねりも二ひねりもしてあり、モダン・ホラー的な味わいも。

ベストは、ドッペルゲンガーと対峙する斎藤一を通して武士の時代の終焉(しゅうえん)を描いた「分身ノ鬼」だろう。

気鋭がまったく違う側面を見せた第2作品集だ。

★★★★

(文芸評論家 縄田一男)

[日本経済新聞夕刊2015年7月16日付]

★★★★★ 傑作
★★★★☆ 読むべし
★★★☆☆ 読み応えあり
★★☆☆☆ 価格の価値あり
★☆☆☆☆ 話題作だが…

人魚ノ肉

著者:木下 昌輝
出版:文藝春秋
価格:1,674円(税込み)

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