2019年2月17日(日)

ギリシャ支援の最終合意へ機を逃すな

2015/7/14付
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欧州連合(EU)のユーロ圏19カ国首脳会議は、ギリシャが財政改革案を議会で成立させるのを前提に、金融支援へ向けた本格的な交渉を始めることで合意した。ギリシャの経済破綻につながりかねない交渉の決裂が避けられたことを歓迎したい。

ただ今回の合意は最終決着への第一歩にすぎない。EUとギリシャのミゾが縮まった今回の機会を逃さず、今度こそギリシャの復活を確実にする支援策や経済再建策をまとめ、実行してほしい。

ギリシャへの支援交渉が難航していた背景には、EU側とギリシャの間の相互不信が高まっていたことがある。

ドイツなど貸し手国は「ギリシャが改革に真剣に取り組まないことが危機の主因」と見て、安易な救済を拒否する姿勢を強めていた。一方、ギリシャは「EUや国際通貨基金(IMF)が押しつけた財政緊縮策をやめない限り、経済や生活の悪化は止まらない」という被害者意識を強めていた。

そうしたミゾを乗り越えて今回合意に達したのは、協議決裂でギリシャが財政破綻し、欧州単一通貨のユーロから離脱するようなことになれば、ギリシャや欧州に与える打撃は極めて大きいとの認識を共有したためだろう。危機の深刻化を避けるには、相互が歩み寄るしかないという良識が土壇場で両者をつなぎとめた形だ。

重要なのは、今回生まれた協調機運を絶やすことなく、最終的な金融支援の合意まで進み続けることだ。

そこに至るまでには、なお多くのハードルが残っている。ギリシャの人々が緊縮策の継続や行政改革の加速など金融支援の前提になる案を果たして容認するのかどうか、不透明なところがある。ギリシャのチプラス首相が、議会や国民をうまく説得できるかどうかがカギを握りそうだ。

一方、EU側がどんな金融支援策を打ち出すかもはっきりとは見えない。ギリシャの財政負担を緩和するための債務再編も求められているが、その内容についてはドイツとフランスなど主要国の間で考え方の違いがある。

ギリシャ危機は一国の問題にとどまらない。欧州が自らの力で債務危機を克服し、統合への歩みを続けることができるのか。それによって、世界のなかで強い存在感を持つ地域でい続けることができるかどうかが試されている。

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