朝が来る 辻村深月著 ラストまで目を離せず

2015/7/10 6:00
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(文芸春秋・1500円 ※書籍の価格は税抜きで表記しています)

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角田光代がそうであるように直木賞を受賞したのち、さらに大きくなる作家が時にいる。溜(た)めていた能力が受賞を契機に一気に開花するのだろう。辻村深月もその一人だ。『島はぼくらと』『ハケンアニメ!』もなかなかよかったが、その勢いはとどまることを知らず、ついに本書の登場だ。すごいすごい。

ストーリーの紹介はあえてしない。子を産めなかった者と、子を手放さなければならなかった者のドラマである。そう書くにとどめておく。ある意味ではシンプルな物語だ。しかし辻村深月はそれを静かで力強い物語に仕立てあげる。だから、圧巻のラストまで、私たちは目を離すことが出来(でき)ない。辻村深月が大きく見える一冊だ。

★★★★★

(文芸評論家 北上次郎)

[日本経済新聞夕刊2015年7月9日付]

★★★★★ 傑作
★★★★☆ 読むべし
★★★☆☆ 読み応えあり
★★☆☆☆ 価格の価値あり
★☆☆☆☆ 話題作だが…

朝が来る

著者:辻村 深月
出版:文藝春秋
価格:1,620円(税込み)

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