2019年4月26日(金)

「グリーン」うたえない 電力自由化、表示の誤算
編集委員 松尾博文

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2015/7/13 12:00
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電力小売りの全面自由化まで8カ月あまり。競争本番を控え、新たな販売メニューの準備を急ぐ電力会社や新電力に誤算が生じている。消費者を引き付ける有力手段と期待してきた再生可能エネルギーを前面に出す売り方が、簡単ではないことがわかってきたからだ。

今春に営業運転を開始したソフトバンクのメガソーラー(福岡県大牟田市)

今春に営業運転を開始したソフトバンクのメガソーラー(福岡県大牟田市)

自由化に備えて積極的に異業種企業と提携する東京電力が、このところ口をつぐむ新サービスの構想がある。「グリーン電力」メニュー。太陽光や風力などの電源から調達した電気にしぼって販売する計画だった。

東電に限らない。再エネを武器に電力事業に参入しようとする新規事業者も戦略の練り直しを迫られている。

理由は自由化の制度設計を話し合う経済産業省の有識者会議での議論だ。再エネの固定価格買い取り制度を使って調達した電気を「グリーン電力」「きれいな電気」などとして売ってはならないとの判断を示した。

太陽光や風力は火力発電に比べ発電コストが割高だ。買い取り制度は電気料金に上乗せした差額を消費者が払うことで普及を促す。温暖化ガス排出が少ない再エネの環境面の価値は消費者に帰属し、差額の補填を受けて販売する特定の事業者が売り文句に使ってはならないとの考え方だ。

買い取り制度を使わずに調達した再エネなら、堂々と「グリーン電力」の看板を掲げられるが、料金は割高になる。

「ここまでの議論になるとは思っていなかった」。ソフトバンクの馬場一執行役員は言う。同社は全国でメガソーラーや風力発電などの事業を展開し、出力は準備中のものを含めて45万キロワットを超える。全面自由化にあわせて家庭向けの小売りにも参入を検討するが、このままでは強みを十分に生かせない。

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