/

南ア株、資源安で上値重く 雇用悪化、国内経済厳しく

世界株番付

南アフリカ株の上値が重くなっている。ヨハネスブルク証券取引所(JSE)に上場する上位企業40社で構成する「FTSE/JSEトップ40」指数は4月下旬に過去最高値を更新して以降、6%近く下落した。国内経済の低迷やギリシャを巡る海外経済の不透明感を背景に投資家心理が悪化している。

南ア株の足を引っ張っている主因が、主要な輸出産業である資源株の軟調さだ。過去半年間の推移をみると、英資源大手アングロ・アメリカンが2割安、グループでプラチナ世界最大手のアングロ・アメリカン・プラチナは10年ぶりの安値に下落した。鉄鉱石大手クンバ・アイロン・オールは4割以上下げた。

資源価格の低迷を受けて、各社は保有する鉱山などの資産見直しを進め、人員削減などのリストラ策を検討している。すでに南アの失業率は1~3月期に26.4%と、過去10年で最悪の水準に達しており、雇用環境の先行きは不透明だ。

国内経済は厳しい。国営電力会社エスコムの電力供給能力不足で計画停電などの影響が出ている。電力料金の引き上げやランド安でインフレ率も高まっている。ランドは米国の利上げ観測もあり、一時1ドル=12ランド台後半に下落した。

南アフリカ準備銀行(中央銀行)はインフレ率が目標上限の6%を上回るリスクが出ているため、利上げに踏み切る可能性を示唆している。「利上げが南ア経済をさらに下押しする」(英調査会社キャピタル・エコノミクス)との見方が多い。

米国の利上げの行方を巡る不透明感やギリシャ情勢など外部環境も逆風となる可能性があり、南ア株は上値の重い展開が続く公算が大きい。

(ロンドン=黄田和宏)

先週(6月29日~7月3日)の世界の株式市場では、欧州株の下落が目立った。ギリシャの債務問題が一段と深刻化し、運用リスクを回避する動きが出た。景気不安が根強い中国の上海株は週間で12%下落した。

[日本経済新聞夕刊7月6日付]

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン

権限不足のため、フォローできません