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大都市のホテル不足をビジネスの好機に

東京や大阪でホテルの空室不足が深刻になってきた。アジアからの観光客が急増している影響が大きい。地方からの出張や観光で部屋を取りにくいとの弊害も目立ち始めた。規制緩和で空き家を宿泊施設に転用するなど、柔軟な発想で訪日外国人の受け入れ態勢を拡大すべきだ。

2011年に6割台だったビジネスホテルの客室稼働率は14年に7割を超えた。特に稼働率が高いのは大都市だ。今年1~3月の実績をみると、東京都、大阪府はそれぞれ85.0%、84.3%に達した。廉価な簡易宿所の稼働率も、全国平均の2割強に対し東京と大阪だけは5割を超す。

14年に都内の宿泊施設に泊まった人(のべ人数)に占める外国人の比率は24.8%と、この3年間でほぼ倍増した。欧米人に比べ、アジアからの観光客は伝統文化への関心が薄く、買い物への関心が高い傾向がある。大都市の中心部になるべく安く泊まり、数多くの店で買い物をして回る。都心の廉価なホテルが混む一因だ。

政府は20年までに訪日外国人を14年比で5割ほど増やす方針だ。価格が高めなシティーホテルも稼働率が上昇している。宿泊施設全体の不足を解消するため、できる限りの手立てを講じるべきだ。

例えば住居用マンション、古民家を含む空き家、空き部屋の活用だ。これまで旅館業法では宿泊施設と認められなかった物件でも特区制度などを積極的に活用し、宿泊客をもっと受け入れられるよう政府や自治体は後押ししたい。

すでにインターネットを通じ一般人が空き部屋に旅行者を泊める新サービスが日本を含む世界で普及しつつある。法的にはグレーなこうした新種の民泊も、法的な位置づけを急ぎたい。日本の生活にふれたい外国人に喜ばれる。

大手不動産会社やベンチャー企業が、都心の中古オフィスビルなどを2段ベッドが並ぶ清潔で廉価な宿に改装する例も出てきた。既存の宿泊業界以外の企業が、今のホテル不足をビジネスの好機ととらえ、ユニークなアイデアで新規参入する動きは歓迎したい。

観光庁は地方の施設、特に稼働率が比較的低い日本旅館への宿泊を増やしたい意向だ。しかし初めて来日した外国人には旅館の利用は壁が高い。受け入れ側にも戸惑いがある。旅行者へのマナー研修や旅館側の外国語での応対の手助けなど、きめ細かい支援が要る。

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