2019年1月17日(木)

中国、PM2.5減った? 環境対策で試される本気度
編集委員 安藤淳

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2015/6/15 12:00
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現在の北京、天津などのPM2.5の年平均濃度は1立方メートルあたり100マイクロ(マイクロは100万分の1)グラム程度あり、日本の環境基準の同15マイクログラムを大幅に上回る。13年に決めた大気汚染防止のための行動計画では北京の目標値を17年に同60マイクログラム、20年には同50マイクログラムとしており、30年までに全国で同35マイクログラムをめざす。

中国の環境問題に詳しい東京財団の染野憲治研究員は「13年のPM2.5事件は中国の人々の目を覚まさせ、環境問題を何とかしなければという意識を高めた」と振り返る。多くの人が皮膚感覚でPM2.5の怖さに接した。放置すれば不満の矛先が政府に向きかねないとの危機感が、新しい行動計画などにつながったようだ。

環境政策重視の姿勢は温暖化問題への対応にも表れている。昨年、中国の習近平国家主席は30年ごろをピークに二酸化炭素(CO2)の排出量を減らすと表明したが、「もっと早くピークを過ぎるのではないか」(染野研究員)。年末にかけての国際交渉をリードしようという狙いもみえる。

中国はPM2.5や温暖化の対策を産業構造の転換と連動させ、国際競争力の向上につなげたい意向だ。観測データの蓄積、大気汚染物質の拡散予測、排出削減技術の普及、産業界の自主的ルール作りなどでは日本のノウハウ活用にも期待を示す。地球規模の環境対策の推進に役立ち、双方の利益になるよう上手に連携する工夫が必要だ。

[日経産業新聞2015年6月11日付]

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