2019年2月18日(月)

やめたい危険な自転車の運転

2015/6/3付
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危険な運転を繰り返した自転車の利用者に、安全講習の受講を義務付ける制度が今月から始まった。受講を拒んだ場合には、5万円以下の罰金を科す。

昨年1年間に自転車がかかわる事故は約10万9000件起きた。件数自体は減少傾向にあるが、交通事故全体の約2割を占めている。新しい制度の導入を機に無謀な運転を一掃し、自転車を安全・安心な乗り物にしていきたい。

講習制度は道路交通法の改正によって導入された。14歳以上が対象で、自転車を運転中、「危険行為」で3年以内に2回以上摘発されると受講を命じられる。危険行為には、信号無視や酒酔い運転、歩道での歩行者の妨害など14項目が定められている。

そもそも自転車は、法律上「軽車両」にあたる。車道の左端を走るのが原則で、走行が認められている歩道に上がる場合は徐行しなければならない。一時停止を無視したり、ブレーキ不良のまま走ったりすることも当然、一般の車両と同じように違反行為となる。

ところがこうした原則は、いまなお徹底されていないのが現状だ。昨年中に自転車に乗っていて交通事故に遭い、死傷した約10万6000人のうち、64%に何らかの違反があったという。

歩行者との事故では相手を死傷させ、裁判で高額の賠償を命じられる事例もある。歩道を我が物顔で走る自転車に危ない思いをした人は多いのではないか。

自転車は運転免許が要らないため、免許更新時など定期的に安全教育を実施する仕組みがない。新しい制度の対象の「14歳以上」には、自転車で通学する中高生も含まれる。子どものころから学校や家庭で、安全な乗り方について繰り返し教えることが重要だ。

自転車が安全に走るためには、専用道の整備や違法駐車の追放などハード面の改善も欠かせない。利用者一人ひとりがルールの徹底を肝に銘じ、自転車が交通事故の被害者にも加害者にもならない安全な環境を作っていきたい。

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