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「ガストアプリ」集客着々 配信内容、顧客に合わせ

ファミリーレストラン最大手のすかいらーくのスマートフォン(スマホ)向けアプリ「ガストアプリ」が人気だ。お得なクーポンを個々の特性に合わせながら配信。昨年10月にアプリを提供して以来、半年でダウンロード数が約300万件に上り、注目を集めている。

「ガストアプリ」は店舗検索や宅配の注文、割引クーポンなどの多様な機能をまとめている。中でも人気なのがクーポン。ダウンロード特典のクーポンで、初回はドリンクバー無料などのクーポンを提供。5~7月の間各ブランドで実施中のビールの割引キャンペーンの一環で、ガストで3日までビール1杯目を税抜き99円で提供している。

さらに来店したりツィッターなどの交流サイト(SNS)で友達らにアプリを紹介して得られたりするポイントを、店頭で使える割引券に交換する機能もある。

アプリでは配信する内容が一人ひとり異なるのが特徴だ。年齢や子どもの有無、誕生日といった利用者がアプリのダウンロード時に登録した属性やクーポンの利用履歴に合わせてクーポンを配信している。例えば未成年の客にアルコールの割引クーポンを配信しても効果がないため送らない。

実際にアプリを立ち上げてみると「初夏の"ちょい飲み"祭」のページが画面に浮かび上がった。画面を進めていくと、お薦めのつまみメニューや他のお酒のメニューなども同じページで紹介している。男性サラリーマンにとってはクーポンを組み合わせ食事に行きたくなるような仕掛けだ。

配信の頻度も個人によって変えている。「前日に利用した客にクーポンを配信しても邪魔に思われてしまう」(インサイト戦略グループの神谷勇樹ディレクター)。そこで『そろそろ食べたい』と消費者が思うタイミングで配信している。

同社によると、アプリにクーポンを配信して来店してもらえる確率はメールマガジンの10倍にものぼる。開発コストは公開後、2か月で回収。アプリから店舗への送客効果で毎月数億円の売り上げ増が見込めているという。手薄だった30~40歳代の女性らの開拓にもつながり、着実に効果を上げている。

ただ飲食チェーンにとって、クーポンの発行はもろ刃の剣。価格訴求力が増して来店意欲を高めることができる半面、乱発するとブランド価値が毀損し、クーポンなしでは来店されづらくなってしまうからだ。

同社は属性や過去の利用履歴などデータ分析を駆使し、タイミングを見計らいながら消費者にお得な情報を発信し続けることで、継続的な来店につなげるとしている。神谷ディレクターは「飲食業界のデータ活用はまだまだ。クーポンの発行を絞りつつ、効果的な販促につなげる」と話す。

アプリではメニューやキャンペーン情報を発信だけでなく、パート・アルバイトの募集など企業情報も発信する機能も持たせた。今後は広告動画を見た客だけにポイントを追加したり、食の安全・安心に関する情報を発信するなどコンテンツを充実させる。5年でダウンロード数を3000万件に増やす目標だ。今はガストのみだが、すかいらーくが展開する他のレストランチェーンに対応したアプリの開発を検討していく。(牛山知也)

[日経MJ2015年6月3日付]

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