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安保は感情論でなく理詰めで論議せよ

国会で安全保障関連法案を巡る与野党の論戦が連日続くが、中身がなかなか頭に入ってこない。質問する側も答弁する側も一方的に持論を述べることが多く、論点がかみ合わない。安保の議論はもともと感情論に陥りがちだ。これからの自衛隊は何をどこまでどうするのか。理詰めの審議が必要だ。

審議の序盤、野党は安倍晋三首相に「法案が成立すると自衛隊員が亡くなるリスクが高まると認めよ」と再三迫った。

首相は「国全体や国民のリスクが下がる効果は非常に大きい」との見方を示すとともに「隊員のリスクを極小化するための措置を規定している」と力説した。

自衛隊員がどんな危険にさらされるのか。周辺にいる民間人への駆けつけ警備をする際の武器使用基準の緩和が十分なのか行き過ぎなのか。これらはよく論じた方がよい。日本は従来、国連の基準と比べて武器使用に抑制的だった。

気がかりなのは、すぐにも亡くなる自衛隊員が出るかのような論議をする野党議員がいることだ。有権者の心を揺さぶることで反対論を勢いづかせたいのだろう。他方、ことさらに安全を強調する政府答弁にもやや違和感がある。双方とも実態を等身大で捉えて論議すべきだ。

もう1つ大事なのは何のために安保法制を整備するのかを考えることだ。米国の国力の低下を踏まえ、日本も世界秩序の安定に積極的に国際貢献すべきだ。

ここまでは野党にも賛同の声がある。民主党はこのほど、安保法制に関する考え方をまとめたが、「国際平和活動に積極的に取り組む」と明記した。

今回の立法の目的の1つは、テロやサイバー攻撃など16年前に制定した周辺事態法の枠外の危機が増えていることへの対応だ。当時の国会答弁で「しない」と断言した活動のうち新たに「する」ものが出てきてもおかしくない。

野党は当時の政府答弁といまの政府答弁の差異を際立たせることにばかり時間をかけても、あまり得るものはない。

感情論が主役になっているせいか、特別委では盛んにやじが飛び交う。やじは国会の華などとよく言われるが、首相が自席から野党議員に「早く質問しろよ」とやじるのは品がない。法案への賛否は違ったとしても与野党が同じ土俵で論戦をすることが、国民の安保への理解を深める一助となる。

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