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目にあまる新競技場の迷走

こんな体たらくで世界中から訪れる選手や観客を「おもてなし」できるのか。2020年の東京五輪・パラリンピックの主会場、新国立競技場の建設をめぐる迷走が目にあまる。

そもそもの当初案を大きく修正した現行計画は、さらに3点を中心に変更されるようだ。

まず、売り物のフィールド上部の開閉式屋根は五輪に間に合わず、閉幕後の設置になるという。さらに、トラックにせり出す可動式の1万5千席をやめ、五輪時のみの仮設とする。

建築資材や人件費の高騰で、1625億円とされた総工費も、大幅な増加が避けられない。2500億円に上るとの試算もある。

新競技場で19年に予定されるラグビーW杯までの竣工も危ぶまれる事態だ。建設主体である文部科学省傘下の独立行政法人、日本スポーツ振興センターの工費や工期に関する見積もりは、きわめて甘いと言わざるをえない。

18日には下村博文・文科相が舛添要一・東京都知事に工費の一部500億円の負担を求めた。知事は見直し案の詳細が不明などとして即答を避けた。当然だ。

文科省は今月中に洗い直した総工費などをつまびらかにするとしている。まず、現行計画を改める必要性について国民が納得できる説明をすべきだ。そのうえで、財源や五輪後の用途、収支について明確な見通しを示して欲しい。

高コストで使い勝手の悪いスタジアムができたのでは、スマートやコンパクトを標榜する五輪の趣旨に反する。残念な箱モノの典型として後世に残りかねない。

宇宙船のようで周囲の景観と合わないとの指摘もあったデザインを含め、「抜本的な見直し」という大胆で高度な判断が求められる可能性さえ、否定できない。

今回の一連の動きは、10月の着工を前にゼネコンなどとのぎりぎりの協議の中から浮上したという。これ以上、場当たり的な対応や先送りは許されない。時間は限られているのだ。

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