2019年1月22日(火)

ミドルの転職支援に力を

2015/5/19付
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労働力不足が深刻になるなか、活躍の場を広げたいのは女性や高齢者に限らない。産業構造の変化などを背景に、これまで培ってきた技能を発揮できる職務やポストが、社内で得にくくなってきたミドル社員もそうだ。

ミドルが別の企業に移りやすくする必要がある。彼らの力を社会全体で生かさなくてはならない。

いわゆる「社内失業」状態にある人は衰退産業を中心に現在200万~300万人に上るとされる。多くはミドル層とみられる。

バブル期入社の社員が50歳前後で大量にいる。同じく大量採用された団塊ジュニア世代はまだ40代前半だ。企業は成熟分野からの撤退を進めており、今後、余剰人員問題は深刻になる恐れがある。

一方で経験を重ねてきた人材へのニーズは高い。中小企業庁の調査では、中核となる人材が足りない中小企業は、研究開発・製造で57%、国内営業で51%ある。余剰な人材を必要な企業へ移す仕組みの整備が急務だ。

40代や50代での転職はリスクが大きいため、ひるみがちになる。政府は新しい職種や業種に必要なスキル(技能)の習得の支援に力を入れるべきだ。

公共職業訓練の内容を民間事業者の活用によって充実させたい。訓練を受ける人に直接補助するバウチャー(利用券)方式を取り入れ、受講者が施設を選べるようにすれば、施設間の競争によって訓練の質向上につながる。

職業能力の評価制度を整えることも企業の中途採用を増やすには欠かせない。人材を求める企業はミドルを対象としたインターンシップ制度も考えてはどうか。

職業紹介でも、民間人材サービス会社が活動しやすくなるよう、規制の見直しが待ったなしだ。

労働時間でなく成果に賃金を払う「脱時間給」制度の新設などはもちろん大事だが、日本が成長するためには、人が企業の枠を超えて柔軟に移れる労働市場づくりが劣らず重要だ。政府は雇用改革にさらに力を入れてもらいたい。

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