2019年8月23日(金)

1000億円超の新規ファンド復活 日本株、次の一手探る動き
投信番付

2015/5/7付
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4月3日に設定された「日本企業価値向上ファンド(限定追加型)」(野村アセットマネジメント)の設定額は1057億円だった。単一ファンドの当初設定額として約2年ぶりに1千億円を超す資金を集めたことは、新規設定ファンドに関して久々に注目の話題ではなかっただろうか。

新規設定ファンドといえば、従来、大手証券会社を中心に競って資金をかき集める印象が強く、設定額が1千億円超のファンドも珍しくはなかった。しかし、最近では以前より小規模で運用を始める傾向にある。

背景には、金融庁の「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」の改正の動きがある。改正では顧客の手数料負担や投信の短期乗り換えについて説明を徹底することなどを一段と求めた。これを受け、最近は各金融機関がラップ口座(投資一任運用商品)や少額投資非課税制度(NISA)といったストック営業に重点を置いている。

今回の巨額設定はこうした流れに逆行するようにも見えるが、いまの日本株相場の置かれた状況を考えるとひとつのシグナルとも受け取れ興味深い。アベノミクス相場の下、ラップ口座やNISAで初めて相場の醍醐味に触れた投資家などが次の一手を考えた場合、日経平均株価が一時2万円台を付けたいま、これから何を買えばよいか迷う局面だ。そのような投資家の資金の受け皿として新規設定ファンドに視線が向けられている面も少なからずありそうだ。

いままで価格が上昇すれば利食い目的で売られ、下落すればリバウンド狙いで買われるサイクルを繰り返す傾向が強かった日本株ファンド。「日本企業価値向上」は、申し込みが殺到したため販売を中止したが、今月も為替取引を付加したタイプなど同種の商品が設定される予定だ。いまの株価水準で新規の日本株ファンドがどれだけ資金を集めるのか、今後の相場を占ううえでも注目しておく必要がありそうだ。

(QBR 鈴木保博)

[日本経済新聞夕刊5月7日付]

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