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米大統領候補と幅広いパイプをつくれ

来年の米大統領選への出馬表明が相次いでいる。民主党の本命とされるヒラリー・クリントン前国務長官も名乗りをあげた。選挙結果は日米関係の行方に影響する。誰が大統領になっても大丈夫なように、日本政府は各陣営に幅広い人脈を築いておくことが大事だ。

選挙戦は二大政党が候補を絞り込む予備選、そこで選ばれた指名候補が雌雄を決する本選挙の2段階で戦う。予備選の開始までまだ1年近くあるが、米政界は早くも活気づいている。

クリントン氏は大統領夫人、上院議員、閣僚を務め、申し分のない経歴である。米メディアの世論調査で一歩先行する。国務長官として、欧州や中東に向きがちだった米外交の視点をアジアに転じさせる「リバランス」を主導した。日本には心強い存在だ。

ただ、党内には貧困層救済に力点を置くエリザベス・ウォーレン上院議員を推す声もある。リベラル派の支持を奪われまいとクリントン陣営が左傾化し、保護貿易の色彩の濃い公約を打ち出せば、環太平洋経済連携協定(TPP)などの先行きは不透明になる。

ホワイトハウス奪回を目指す共和党の予備選は、父と兄が大統領経験者のジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事を軸に展開しそうだ。「茶会」と名乗る極端に「小さな政府」を志向する勢力からはテッド・クルーズ、ランド・ポール、マルコ・ルビオ各上院議員が立候補した。本選挙で挙党一致体制を築けるかどうかが焦点だ。

オバマ政権が安倍晋三首相の靖国神社参拝への「失望」を表明した際、首相側近から「共和党政権のときはこんな揚げ足をとったことはなかった」との発言が出た。

共和党に対中強硬派が多いのは事実だが、東アジアに無用な波風が立つのは米国の国益にならないとの認識は党派を問わない。

いずれにせよ、誰が勝ってもよい備えをする必要がある。いまは泡沫(ほうまつ)候補でも、のちに副大統領や閣僚に就くことは珍しくない。クリントン氏とはこれまでの蓄積がそれなりにあるとすれば、なおさらいろいろな陣営とつきあう余力があるはずだ。

日本外交は伝統的に国務省など行政府との関係を重視し、米議会への働きかけが手薄である。上院議員時代のオバマ氏とどういう接触をしていたのか。その反省を踏まえ、次期大統領選に対応してもらいたい。

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