2019年2月20日(水)

春秋

2015/4/17付
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中心があるなら周辺もある。「2015年度を中心とする期間」とは、一定の幅で過去も含むと解せる。日銀の掲げる物価上昇目標2%の達成時期のことだ。時を言い表すなら「最速で」とか「早ければ」の方がなじむ。はずれた場合に「信認」に関わると避けたのか。

▼異次元緩和から2年余り。企業業績は回復し株価も一時2万円を超え、賃金、雇用は改善した。黒田東彦総裁は自らの政策を「しっかり機能している」と誇る。強気の日銀に「シャーマン(霊能者)化」との言説も出るが、資源安は肝心の物価の頭を抑え、消費は曇りがち。爆買いした国債や、財政規律の行方も気になる。

▼大阪・キタに綱敷天神社がある。九州へ流される菅原道真が船上に丸めた纜(ともづな)の上で、捲(けん)土(ど)重来(ちょうらい)を期し、梅をめでた故事が由来だ。そういえば、1985年のプラザ合意後のバブル懸念を当時の日銀、三重野康副総裁は「乾いた薪の上に座っている」と表現した。今なお拭い切れない長い停滞感の出発点は、この辺りだった。

▼古(いにしえ)の賢人は時間の不思議さをこう語った。「誰も私に尋ねなければ時間とは何かを知っている。しかし、問われて説明しようとするとわからなくなる」。全ての変数をかみ砕き進軍する時間。米国の金融緩和は出口へ向かう観測だが我が方は奈辺(なへん)をさまようのか。総裁は何に座した心境で就任3度目の若葉を眺めるだろう。

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