ハーバー研究所、手作り美容動画で若者取り込み

2015/4/8 6:30
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中堅化粧品メーカーのハーバー研究所はネット販売を強化する。ネットラジオで美容番組を流したり開発者の裏話を発信しコンテンツを充実させる。同社が苦手としてきた20~30代を取り込む狙い。サイトの閲覧数を増やすことで、2015年度のネット通販の売り上げを前年度に比べ倍に伸ばす。

ホームページでは社員が動画で商品を説明する

ホームページでは社員が動画で商品を説明する

「クレンジングはたっぷり使い、1分以内で終わらせましょう」。「化粧水は5回繰り返して」――。ハーバーのサイトでは、お手入れの仕方や商品が開発されるストーリーなど150本以上の動画が見られる。昨春から取り組み始めた。

最近では、美容をテーマにしたラジオ番組もポッドキャスト配信。業界でも有名な美容のプロが、「美肌で1日を過ごすノウハウ」などを語っている。

ハーバー研究所がネット戦略の強化に乗り出した。動画のコンテンツを増やしたほか、年内には70ページある会員向けのカタログをすべてパソコン画面上やスマートフォン(スマホ)上で見られるようにする。気になる記事をタップすると商品を購入できる。

美容情報がネット上で氾濫する中で、いかに閲覧してもらうか。同社のマーケティング事業本部の末広栄二ディレクターは情報の量に加え、「あえて作り手の顔を見えるようにすること」が大切だという。

たとえば商品の開発者の話では担当者に社内会議でのプレゼンテーションと同様の形式で語ってもらっている。多くの女性は口コミを頼りに商品やブランドを選ぶ。企業が発信する情報は宣伝的な要素が強いとの先入観があり、見てもらえないからだ。今後は海外に住んでいる顧客会員に海外生活にまつわるエッセーを投稿してもらうなど、会員同士の交流を促す取り組みも始める。

同社は毎月発行するカタログ通販が主な販路で、ネット対応は競合他社に比べ遅れているが、一連の施策で、同社のサイトへの閲覧数は1日10万件と1年で約3割増えた。

同社は1983年の設立。ブランド名は「HABA」で、天然由来のスクワランというオイルを使った化粧品が主力。シンプルな手入れで支持を高めてきた。2014年3月期の売上高は137億円(前期比4.2%増)だった。

消費増税前の駆け込み需要で売り上げは伸びたが、会員が50~60代と高齢化している。ダイレクトメールの費用負担も重く、かねて20~30代の取り込みが課題となっていた。

フェイスブックやLINEなど「若い世代にハーバーを知ってもらうためにはあらゆるメディア戦略を使う」(末広ディレクター)と意気込む。カタログ通販を主力としてきたファンケルやオルビスも同様にネット対応を強化している。情報感度の高い20~30代の女性を取り込むのはそう容易ではない。

ただ「オイル美容」「無添加」「中心価格が2000円前後」という同社の商品はコスパを重視する若い世代を取り込む要素は備えている。そこをいかに伝えていくかがカギとなりそうだ。(新田栄作)

[日経MJ2015年4月8日付]

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