クロスカンパニー、クーポン配信成果のワケ

2015/4/1 7:00
保存
共有
印刷
その他

カジュアル衣料品店大手のクロスカンパニー(岡山市)がネット通販の顧客に効果的なメール配信を追求して成果を上げている。2014年10月に顧客情報管理(CRM)システムを導入、顧客の購買履歴に応じて適切な頻度でメールを送る取り組みを始めた。スパムが増えて目に留まりにくくなったメールをタイミングよく送ることでネットで買い続けてもらう仕組みを目指している。

自社の衣料品を扱うサイト(写真左)。買い続けてもらうため、効果的なメールの配信を工夫する(同右)

自社の衣料品を扱うサイト(写真左)。買い続けてもらうため、効果的なメールの配信を工夫する(同右)

「会員登録時に発行した特典クーポンはご利用になりましたでしょうか? まだご利用でない場合、お買い物をしてみてはいかがでしょうか」

クロスカンパニーは自社の通販サイト「クロスコレクション」で新規登録した顧客などに割引クーポン付きメールを配信し、利用を促している。これまでは会員登録から20日目にメールを1回送っていた。現在は25日目に変えたり2回送ったりと工夫している。

クロスコレクションは「アースミュージック&エコロジー」など自社の9ブランドの衣料品を購入でき、会員数は約130万人。これまでも会員の購買履歴に応じて、サイト上でお薦め商品の表示を変えるといった取り組みは実施してきた。

ただ、買い続けてもらうための仕掛けが足りていなかった。「店頭では顧客とじかに接することができる。ネットでも顧客一人ひとりに適したアプローチをやりたかった」と、ウェブマーケティング部の沢田昌紀統括マネージャーは説明する。

そこで昨秋にネットマーケティング支援のデジミホ(東京・千代田)のCRMソフト「アール・エイト」を導入。どの条件で顧客にメールを送るかを手軽に設定し、実際に購買につながったかも確認できる。いつ、どのようなメールを配信すれば効果的か、検証を重ねてきた。

クロスカンパニーはソフトの導入に伴い、まず顧客を大きく9つの分類に分けた。過去1年のネット通販での購買実績をもとに、購入回数に応じて3分類、購入金額に応じて3分類に分ける。1年間に3回以上、1万円以上の購入実績がある層を「A1」と定義した。

A1の人々は、クロスコレクションで実際に買い物をしている顧客の15%ほどの人数だが、売上高に占める割合は約5割の「上得意客」だ。「A1の人々をいかに増やして買い続けてもらうかを考えた」(沢田氏)

まず取りかかったのがクーポンの配信時期の見直しだ。クーポンの利用を促すメールは経験則で20日目に送っていた。ただ25日目に変えたところ注文が伸びたという。

14年12月、購入から一定期間経過した会員に送ったメールでは、11月の2.5倍となる500件もの注文につながった。「メールだけの効果とは言い切れない部分もあるが」と言いながらも、沢田氏は手応えを感じている。今後は購入額や間隔だけでなく、年齢層や住む地域など様々な属性を考慮して効果的なメールの配信方法を磨いていく考えだ。

衣料品専門店やアパレルの企業は売上高に占めるネット販売比率の目標を10%とするところが多い。クロスカンパニーのネット通販の売上高は15年1月期に約27億円で前の期から2%伸びたが、売上高に占める比率はまだ3%どまり。このためメール会員の数を早期に200万人に引き上げつつ、より効果的なメール配信を実現して売り上げを高めていく考えだ。

(川上尚志)

[日経MJ2015年4月1日付]

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]