シリコンバレーは技術をマーケティングする場所
フィル・キーズ(米ブルーフィールドストラテジーズ アナリスト)

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2015/3/29 7:00
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かなり以前から、IT(情報技術)など技術業界におけるシリコンバレーの成功に倣おうとする地域は、全世界に多数あった。通常、こうした地域は「シリコン」という言葉の後に、その地域に関わる言葉を加える。その一例がニューヨークの「シリコンアレー(路地)」だ。しかし「全てのベンチャー投資は技術業界に流れる」とまでは言わないまでも、ベンチャー投資額を見る限り、シリコンバレーを超えた地域はまだない。

カリフォルニア大学バークレー校在学中に交換留学で来日。日本のIT(情報技術)産業にも詳しく、技術誌やウェブサイトなどでジャーナリストとして活動。日本での勤務経験もある。

カリフォルニア大学バークレー校在学中に交換留学で来日。日本のIT(情報技術)産業にも詳しく、技術誌やウェブサイトなどでジャーナリストとして活動。日本での勤務経験もある。

英調査会社プレキンによると、2014年の米国の未公開株市場の規模は2400億ドル(約29兆円)と世界最大だった。米プライスウォーターハウスクーパースと全米ベンチャーキャピタル協会(NVCA)の「マネーツリー」調査によると、14年で全米のベンチャー投資額の48%はシリコンバレーに拠点を持つ企業に流れたという。2位はニューヨークの10%と、1位とかなりの差がある。

上記の数字と技術業界の動向だけを見ると、シリコンバレーは業界の中心地であり続けている、と言える。だが、実態としてシリコンバレーで活動中の多くのベンチャー企業は、シリコンバレー以外の地で彼らの基幹技術を開発している。それでいて、こうした企業の多くはシリコンバレーに本社もしくは主要な拠点を置いている。彼らには外から見るシリコンバレーに対する「勘違い」が分かっているからだ。それは、今のシリコンバレーは技術を開発する場所ではなく「技術をマーケティングする(商品化する)場所である」ということだ。

1980年代までのシリコンバレーにはハードウエアメーカーが多かった。インテルやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)、シーゲイト・テクノロジー、ヒューレット・パッカード(HP)などの米企業が、ハードウエアの開発拠点や製造拠点を同地に設置していた。しかし、地価や人件費の高騰により、これらの企業はハードウエアの製造・開発拠点をかなり以前にシリコンバレーの外に移している。

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