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苦手な店員でもスマホ説明 キタムラ、端末導入

DPE(写真の現像・焼き付け・引き伸ばし)大手のキタムラがタブレット(多機能携帯端末)を使った業務マニュアルを導入し、スマートフォン(スマホ)販売を伸ばしている。店頭でスマホを販売する際に従業員が初期設定や操作法をタブレットで説明。マニュアル導入で従来よりスムーズに顧客を支援できる。従業員の接客レベルも向上しているという。

「初期のアカウントはこのような流れで設定していきます」。キタムラのある店舗で、スマホを購入した顧客に従業員がタブレット画面を示して初期設定を説明する。画面にはスマホの操作の流れが画像で分かりやすく示され、顧客は従業員と一緒に設定していくだけだ。

同社は昨年12月、スタディスト(東京・千代田)の業務マニュアル作成・管理サービス「ティーチミー」を導入した。同サービスは、工場での工程管理やサービス業の接客マニュアルなどを簡単に作成できる。

作成手順は、画像に内容を説明する文章を入力して複数のスライドを完成させていく。何枚も蓄積していくことで、1つのマニュアルを完成させる。マニュアルはサイトで公開し、登録したメンバーだけがスマホなどから閲覧できる。

キタムラは以前から、スマホを購入した顧客を対象に従業員が初期設定を手伝うサービスを提供していた。ただ、スマホの初期設定は機種によって異なり、メーカーのマニュアルも文字が主体で読み込みづらい。このため、スマホに詳しい一部の従業員しか顧客に手厚く対応できないという課題があった。

キタムラは、スマホの販売時の初期設定のマニュアルを作成。契約時から回線の開通テスト、ネット接続など数十の工程に関し、主力の10機種を中心に100のマニュアルを用意した。実際に店頭での販売経験があるスタッフが作成することで実践的なマニュアルとした。

マニュアルはスマホを販売する全約440店に備えている。導入から3カ月で閲覧件数は3万件を突破した。高橋渉執行役員は「業務の統一で効率があがっただけでなく、説明の取りこぼしが減った」と話す。従業員からは「安心して接客できるようになった」と好評という。

販売への効果も徐々に出始めている。これまでは説明できる従業員が限られ、複数の顧客が同時に買い求めた場合などに販売機会を逃すこともあった。

今では店頭での販売経験が短くて説明が苦手でも、積極的に説明する従業員も増え、販売台数の押し上げにつながっているという。

ティーチミーで作成したマニュアルは、現場などの声を反映し、紙のマニュアルでは難しい素早い改善も可能だ。今後は固定回線とスマホのセット販売など、申し込み手続きが特に煩雑な接客法などにもマニュアルを用意していく考えだ。

キタムラは2012年ごろから店頭でのスマホの販売を積極展開している。店頭には大手携帯電話会社の主力機種をそろえる一方、シニア層向けを中心に手厚いサービスを手掛けている。ネットサービスの長所を取り込みながら「接客レベルを向上させていく」(高橋執行役員)考えだ。(名古屋和希)

[日経MJ2015年3月18日付]

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