日経平均、高値圏で足踏み 消費関連株を選別物色
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5~11日の東京株式市場で、日経平均株価は0.1%の上昇にとどまった。6日に発表された2月の米雇用統計が株式相場や外国為替相場を揺さぶった。日経平均は翌12日こそ1万9000円に一時乗せたが、その直前までは大台を目前に足踏みした。金融情報端末のQUICKでも日米株や対ドルの円相場などに関連した記事が多く読まれた。

米雇用統計は雇用情勢の回復を示した。非農業部門の雇用者数が力強く伸び、平均賃金も緩やかに増えた。投資家の間で米連邦準備理事会(FRB)が早期の利上げに踏み切るとの観測が強まり、米国株は売られ、ドルは買われた。
国内市場では、米株安による投資家心理の悪化で一時、株売りが優勢になった。これまで輸出関連企業の業績拡大要因として意識されやすかった円安・ドル高の進行が、逆にドル建てでの運用成績を重視する一部の外国人投資家の日本株売りを誘う場面があった。

速報段階から下方修正された2014年10~12月期国内総生産(GDP)の改定値に関する記事も読まれた。設備投資が下方修正され3期連続のマイナスとなったことなどが響いた。
半面、個人消費は上方修正された。これをひとつのきっかけに消費関連株が選別物色され、相場を支えた。訪日外国人需要を取り込みやすい銘柄には買いが集中し、東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランド(OLC)などの上昇が目立った。

「日本生命保険が15年度からの3年間で環境やインフラなどの成長分野に最大1兆円を投資する」と伝わったことの株価への反応も投資家の関心を誘った。排ガス浄化装置や蓄電池を手掛ける日本ガイシ、水処理装置の栗田工業などに一時的な連想買いが入った。
国債入札の結果が市場を揺さぶる場面が増えており、入札の結果に関する記事は関係者の目を引いた。5日の30年債入札は無難な結果となり、株式相場への影響は限られた。
(日経QUICKニュース)
[日本経済新聞夕刊3月13日付]