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中1殺害は防げなかったか

川崎市川崎区の多摩川河川敷で、中学1年の上村遼太君(13)が殺害され、容疑者として顔見知りの18歳と、17歳の少年2人の計3人が逮捕された。リーダー格の18歳の少年は、容疑を認める供述を始めているという。

事件につながる兆候はいくつもあったとされる。どこかで周りの大人たちが気づき、救いの手を差し伸べていれば、悲劇は防げたかもしれない。事件に至る経緯を検証して、教訓を共有したい。

上村君は今年1月から不登校が続いていた。担任の教諭は自宅訪問や電話連絡を試みたが、本人には会えなかったという。

18歳の少年からは、顔にアザができるほど暴行を受けていた。これに抗議するため上村君の友人らが少年の家を訪れた際には、警察官が駆けつける騒ぎになっている。上村君は「殺されるかもしれない」と友人に漏らしてもいた。

学校や教育委員会は、不登校にもっと組織的に対応できなかったのか。警察や市の福祉部などとの連携はとれていたのか。家庭や地域は異変を察知し、被害を食い止めてほしかった。

上村君と同じように、1人で苦しんでいる子どもはほかにいるかもしれない。文部科学省や市教委は検証作業を始めた。徹底して解明し、結果を公表すべきだ。

供述の通りだとすれば、少年らは上村君を裸にして多摩川で泳がせ、首を切りつけ殺害した。「大人は気づけなかったか」の無念さは、無軌道な犯行に関わった加害少年たちについてもいえる。

少年犯罪は減っているという事実も、忘れてはならない。刑法などに触れて摘発された少年の数はこの10年で6割減り、戦後最少を更新している。殺人もここ数年は年間50人前後で、2000年のころの半分程度に減っている。

罪を犯した少年の立ち直りを促し、再び社会に戻すというこれまでの取り組みの基本が間違っていたわけではない。社会の耳目を引く事件の残虐さに惑わされず、冷静に対策を考えたい。

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