CTO権限を全社へ 不在の業界、変革の好機
インテカー社長 斉藤ウィリアム浩幸

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2015/3/10 7:00
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組織が古い体制から生まれ変わろうとする時、最高技術責任者(CTO)の役割は極めて重要です。CTOの権限は技術畑の狭い領域だけにとどまらず、全社に及ぶようにする必要があります。

これまでCTOは、IT(情報技術)業界以外では重要視されてきませんでした。それは正しかったのでしょうか。スマートフォン(スマホ)を使った配車サービスの米ウーバーテクノロジーズの例を見てみましょう。同社が提供するのは、スマホで運転手付きの貸切自動車を予約できるサービスです。クレジットカードで自動的に決済されるため、乗客は降車時に支払いをする必要がありません。

これまでは近くの配車センターを検索して、電話をかけ、待ち合わせ場所を決めて、運転手が遠回りしていないかを心配して、降車時は「カードは使えますか?」と確かめなければなりません。ウーバーはその面倒な手順を3つも4つもスキップできるのです。取るに足りない、小さな差だと思いますか。

実際のところ、ウーバーが採用した技術は特別なものではありません。アプリからの注文、アプリ内決済は、他にいくらでも事例のあるシステムです。つまり、イノベーションとは必ずしも新しいものを生み出すことと同義ではありません。むしろ「既存の技術を組み合わせて新しい体験を生み出すこと」とした方が真実に近いでしょう。

CTOに求められる仕事も、まさにその部分にあります。ウーバーは2009年にスタートしたばかりのベンチャーです。それが米国のみならずアジア、欧州の主要都市に次々進出し、行く先々で既存のタクシー業界から猛反発を受けているさまには、業界のルールを世界規模で変革しようとする挑戦者の気概を感じます。既得権益を享受していた側の人間にとっては、まさに「黒船来航」クラスの衝撃でしょう。

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