2018年6月23日(土)

JTB、毎日配信の「るるぶ」 予約サイトと相乗効果狙う

2015/2/25 7:00
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 旅行情報誌「るるぶ」を手掛けるJTBパブリッシング(東京・新宿)が昨年12月、旅行情報を毎日配信するスマートフォン(スマホ)向けアプリ「るるぶNEWS」の提供を始めた。主力の情報誌で扱うのが難しい日々の情報を発信する。既存の検索アプリやJTB本体の予約サイトなどとの相乗効果も狙う。

JTBの「るるぶNEWS」は短期間のイベントや地域の情報を充実させている

JTBの「るるぶNEWS」は短期間のイベントや地域の情報を充実させている

 タレント・おかもとまりさんの温泉コラム、子どもとのお出かけのコツを伝授する4コママンガ――。

 るるぶNEWSは毎日10本程度の記事を配信する。本格的な旅行だけでなく、新規開業した商業施設やイベントといった週末のおでかけに役立つ手軽な情報も配信する。情報誌「るるぶ」のライターのほか、タレントや漫画家などが記事を書き下ろす。

 記事で紹介されたイベントをチェックすると、開催日の前日にお知らせが届く機能も設ける。ライターにJTBグループの日帰り観光ツアーの体験ルポを書いてもらうなど、旅行商品の販売拡大にもつなげる。

 同社が「るるぶ」の名称を使ったスマホ向けアプリを提供するのは2例目だ。既存のアプリ「るるぶ」は観光情報の検索機能が中心だ。

 ダウンロード数は約127万と多いものの、年2~3回程度しか起動しない人が多いという。旅行をすると決めていないと、あまり使う機会がないためだ。

 JTBの寺田真輝ソリューション事業本部マネージャーは「旅行関連の情報に頻繁に触れてもらい、旅行意欲を高められれば、既存のアプリの利用頻度も多くなる」と狙いを説明する。

 本業の旅行情報誌との相乗効果も狙う。主力の情報誌「るるぶ」は、各エリアごとに原則年1回発刊している。限定的な地域の情報や1日限りのイベントは掲載しにくかった。

 発行後に決まったイベントや施設の開業などの情報の更新も、紙の媒体では難しかった。アプリでタイムリーな情報を発信し、雑誌の弱点を補う狙いだ。

 アプリの記事は閲覧数などが把握しやすく、どの記事に人気が集まったかなどを分析できる。「データに基づいてコンテンツを編集でき、これを本家の雑誌にも生かしたい」(寺田マネージャー)という。

 「るるぶNEWS」のダウンロード目標数は2016年3月末までに50万。寺田マネージャーは「利用頻度が多いアプリが加わることで、雑誌や旅行検索アプリなど既存の媒体の価値が高まる」と考えている。

 「各媒体で個別に稼ごうとするのでなく、『るるぶ』全体で収益を考えていきたい」と寺田さんは強調する。

 本という紙の媒体による情報の遅効性を、アプリで補完する動きはメディアで様々に試みられているが、JTBは旅の充実度や楽しさに関わる新情報をアプリで補完し、顧客満足度を高めていく考えだ。

(広井洋一郎)

[日経MJ2015年2月25日付]

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