訪日客の多様化に応じた通訳ガイド育め

2015/2/24付
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日本を訪れる外国人が急増している。特にアジアからの伸びが大きい。東京や京都だけでなく日本各地を観光してもらえれば地方経済の活性化にもつながる。各国の言葉で、きちんと旅行者の手助けができる人たちを確保したい。

一部の特区などを除き、報酬を得て外国語で案内ができるのは国家試験に合格した通訳案内士に限ると法律は定めている。1949年に始まった制度だ。

アジアからの訪日客が増えるにつれ、有資格者の使える言語が英語に集中し、居住地も首都圏、関西圏に偏っているという課題が浮上してきた。大型客船が地方に寄港したときや、桜や紅葉などの観光シーズンに通訳案内士が不足し、スムーズな受け入れの壁になり始めているという。

通訳案内士の試験は語学力のほか日本の歴史、地理などの知識が日本語で問われる。語学は10の言語から選ぶが、英語など欧米系7言語に対しアジア系は中国語、韓国語、タイ語のみ。訪日客が増えるベトナム、インドネシアなどの言葉には対応していない。

歴史などの試験は、特に外国人受験者にはハードルが高い。訪日客の目的も一般的な名所巡りだけでなくアウトドア、ラーメン、アニメなど多様化している。廉価なツアーでは添乗員が案内も手がけたり、無資格のガイドが高額な土産物店を紹介、手数料をもらったりする問題も指摘されている。

どうすれば、日本に来る外国人の満足度を高められるか。この視点を最優先に、関係者は今後の通訳ガイドのあり方を考えたい。

ネット端末の普及で一通りの知識は手軽に得られる。母国語でのちょっとした手助けで十分という人や、特定の分野、地域に特化したガイドの希望も増えている。

留学生やホテル従業員、外国人の関心が高い分野に詳しい人が、一定の研修などを条件に手ごろな料金で案内できるようにする案を旅行会社などが提唱している。旅行者には喜ばれそうだ。同時に、高いスキルやノウハウを持つ通訳案内士は能力に応じた報酬を得られるよう、ツアーの売り込み方や料金体系を工夫すべきだ。

高度なガイドから手軽なサポートまで幅広い手助けを、各地方で多様な言語を使い提供できるようにしたい。そのためにどういう仕組みが最適か、政府、旅行業界、実際に外国人に接する人々などで知恵を出し合う必要がある。

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