2019年2月22日(金)

「18歳投票」に備えた有権者教育が急務だ

2015/2/19付
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早ければ来年の参院選から現在は20歳以上の投票年齢が18歳以上に引き下げられる。戦後初の選挙で25歳から20歳にし、女性参政権を認めて以来の約70年ぶりの大改革だ。変えてよかったと誰もが思う選挙にするにはどうすればよいか。早めの備えをしておきたい。

18歳に引き下げるための公職選挙法の改正は、自民、民主など主な与野党が合意済みだ。近く国会に法案を共同提出する方針で、今国会で成立する見通しである。

憲法改正のための国民投票の投票権は18歳以上にした。一般の選挙も同じにするのが当然だ。

国会図書館によると、調査した189カ国・地域のうち投票年齢が18歳なのは170もある。遅ればせながら、世界標準の仲間入りすることを歓迎したい。

日本の主要法規は20歳をもって成人とする仕組みである。今回の与野党合意は投票年齢だけ下げ、重大な選挙違反に少年法を適用しないなど最低限の手直しにとどめる。民法の成人年齢などの引き下げに反対が多かったためだ。

国政を左右する有権者でありながら、法的には子どもという人ができるのは違和感がある。現在の法体系を丸ごとつくり直すのは困難でも、法律ごとの成人年齢の見直しは続けるべきだ。

明るい選挙推進協会によると、2013年の参院選での20歳代前半の投票率は31.18%で、70歳代前半(70.94%)の半分もなかった。放っておけば18、19歳の投票率も似たようなものになろう。適切な有権者教育が急務である。

中学や高校で民主主義の大切さは教えているだろうが、選挙に関心を持たせる工夫がいる。近年、政党の選挙公約を読み比べて品評させ、国政選の模擬投票をする学校が増えているのはよい傾向だ。

18歳投票が実現すると、実際に有権者がいる高3では、こうした試みがやりにくくなることが予想される。特定の政党を利することのないように配慮しつつ、必要以上に政治を教育から遠ざけることのないようにしてもらいたい。

社会保障・人口問題研究所によると、1960年に41.5歳だった有権者の平均年齢は、半世紀後の2010年には52.7歳になった。政党はどうしても高齢者の意見に耳を傾けがちである。

今回の法改正で若い有権者が240万人増える。社会保障などの世代間の負担が公平かどうかを改めて考えるきっかけにしたい。

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